紅の花舞
□十六、狂気の欠片
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不吉な赤色を一息にあおった瞬間、動きを止めた山南さんの右手からこぼれる小瓶。
彼の唇の端から朱色を引く一筋の雫。
どくん、という心臓の音。
山南さんは、その場に膝をついた。
「山南さん!!」
駆け寄ろうとした私を押し留める様に、山南さんは右手でこちらを制し、己の心臓を掴む様にして苦鳴を漏らした。
「ぐ…っ……」
今の山南さんを放っておくなんて、出来る訳がない…!
私が更に一歩を踏み出した瞬間。
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