紅の花舞
□二十六、繋がれた手の温もりが
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そんな私の頭を、大きな手が優しく撫でた。
「案ずることはない。言っただろう?これは友好的な関係を前提とした分離だ」
「近藤さん…」
安心させてくれるような、近藤さんの表情。
でも、いつもと違って、私の心のさざ波は収まらなかった。
「そうはいっても、今後は衛士と新選組隊士との交流は禁止するつもりだろう?」
源さんの表情も暗い。
私と似た想いを抱えているようだった。
「…当然だ。これ以上、あいつらの好き勝手にさせるてもりはねぇからな」
そう言った歳兄の“あいつら”の中に、二人は含まれているのだろうか。
そう思ったら、私は居た堪れなくなり、
(やっぱり、二人の気持ちをちゃんと聞いてみたい…!)
「奏樹ちゃん!?」
「私、二人のところに行ってくる!」
そう言って広間を飛び出した。