紅の花舞
□二十六、繋がれた手の温もりが
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「でも、一つだけわかってくれよ。
俺は、皆のことが嫌いになったわけじゃないから」
私が何も言えずにいると、平助がこちらを向いた。
「お前にはすげえ助けられたよ」
「私が?」
「ああ。どこまでも真っ直ぐなとことか、他の皆には話しにくいことも、お前には自然と話せたし」
私に何かできたのかはわからないけど、平助の助けになっていたのなら、嬉しいと思った。
「…悩んでたなら、話してくれればよかったのに。水くさいじゃん」
「悪かったよ。けどもう行くって決めたんだ…俺だって男だからさ」
口ごもる平助。
照れた様に顔を赤く染めている。