紅の花舞

□二十九、吹く風、止まぬ雨
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ざぁっと落葉を掃除していく一陣の風。


冷たい木枯らしに、私は思わず身を震わせた。



「寒…っ」



不動堂村の屯所に引っ越してきて、数ヵ月が過ぎた。



新しい屯所で、部屋を間違えることもなくなったこの頃。



特に大きな事件もなく、私達は穏やかな日々を送っていた。



ただ、一つ変わったといえば――




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