紅の花舞 弐

□三十三、堕ちてゆく
2ページ/9ページ



バアン!!


不意に銃声が響き渡った。


途端、総兄の表情が強張る。


「――総兄、駄目!!」


私は思わず叫ぶ。


まるで挑発するかのように、銃声は連続して夜空にこだました。


「…ごめん」



彼は私を振り切って走り出す。


「……っ!」


「おい奏樹!?
お前まで行くのかよ!?」


平助の声を背に聞きながら、私は奉行所から飛び出した。




次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ