紅の花舞 弐
□三十三、堕ちてゆく
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バアン!!
不意に銃声が響き渡った。
途端、総兄の表情が強張る。
「――総兄、駄目!!」
私は思わず叫ぶ。
まるで挑発するかのように、銃声は連続して夜空にこだました。
「…ごめん」
彼は私を振り切って走り出す。
「……っ!」
「おい奏樹!?
お前まで行くのかよ!?」
平助の声を背に聞きながら、私は奉行所から飛び出した。
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