紅の花舞 弐

□三十九、舞い落つ願い
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「よし、これで全部かな」



まだ総兄が眠っている昼のうちに、私は町へ買い物に出ていた。


屯所にいた頃に比べて人数が少ないから、食材の量が減って楽だ。



少し近道をして帰ろうと、人気のない道に入った時だった。



「のんきにお買い物?楽しそうだね」


「!!」


よく知る声が聞こえた瞬間、私の心臓が大きく鼓動した。



「薫…!」


「そんな怖い顔しないでよ。まさかこんなところでお前に会えるとは思わなかったなあ。」



楽しげにくすくすと笑う薫。



発作が起きている今、私は立っているのがやっとの状態だ。





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