紅の花舞 弐

□三十九、舞い落つ願い
1ページ/11ページ



「う…ん…」



はっきりしない思考の中で、優しい温もりに包まれているのがわかる。



(これはどっちかというと、抱き着かれているような…?)



目を開けてそっと顔を上げると、



「っ!?」



そこには総兄の綺麗な寝顔。



(な、何で私、総兄と一緒に寝てるの!?)



そして、昨日風間達のところから苦労して帰り、疲れてそのまま眠ってしまったのを思い出した。



(総兄、傷も治りきってないのに、無理して来てくれたんだよね…)



彼に抱き締められていて身動きがとれない私は、その寝顔を眺める。





次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ