紅の花舞 弐
□四十一、涙は
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それから総司くんの身体は、順調に回復していた。
彼の傷が、完全にふさがった頃。
「わぁ…!」
箱の中身を見た私は感嘆の声をあげる。
歳兄から私達へと、洋服が届いたのだ。
「すごい!西洋の服って初めて見たけど、とても綺麗だね!」
造りは似ているが、総司くんのは龍、私の服には桜の模様がある。
「これ、土方さんが選んだの?何かやだなぁ」
「きっとこれを着て、早く合流しろってことだよ!」
まだ出発する訳ではないけど、気分を一掃するためにも、新しい服に着替えてみることにした。