黎明の空の果てに
□縹の雲
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それは、とある日の夕方のこと。
夕飯の席にはすでに皆揃っていて、俺は座る前に土方さんの方へ行った。
「土方さん、あんた宛に文が届いてたぜ」
「おう、済まねぇな」
差出人を見た土方さんの口元が微かに綻んだ。
「あー!土方さんそれもしかして奏樹からか!?」
「俺にもみせてくれよ!!」」
途端に平助や永倉が騒ぎ出す。
奏樹?
俺には聞き覚えのない名前だ。
「うるせぇな、いま読むから待ってろ」
二人に急かされ、土方さんが文を開く。
周りの連中は待ちきれないと首を伸ばしている。
沖田や斎藤までもそちらが気になるようだった。