紅の花舞

□一、 始まりの唄
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―ぼんやりとした視界に、見慣れない天井が映る。



「ここは…?」



「目が覚めたかね?」


「!!」


その声に意識がはっきりして、起き上がる。



「火事は、父様と母様は!?」


私が掴みかからんばかりの勢いで問うと、その人は辛そうに顔を歪めた。



「私が君をみつけた時にはもう…」



「そ…んな…。」



絶望と哀しみと寂しさと。


たくさんの感情が入り交じって、どうすればいいのかわからなかった。





震える手で刀を抜く。


ぎゅっと握り締めて首筋に刃先を当てた。



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