紅の花舞
□十一、指きりげんまん
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お日様の光が降り注ぐ中、私は特にする事もないので、庭で一人素振りをしていた。
すると、二人分の足音が聞こえてきた。
「おはよう総兄、一ちゃん!」
「おはよう奏樹ちゃん。
せっかくの非番なのに、稽古なんて偉いね。」
「俺達でよければ稽古の相手になるが。」
やって来たのは同じく非番の二人。
「あ、じゃあ一ちゃん。
少し私の素振り見ててもらえるかな?」
「ああ、わかった。」
「えぇー?
何で迷わず一くんに頼むのさ?
僕、一応君の組長なんだけどな」
総兄が不満そうな声をあげる。
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