紅の花舞
□十二、廻り始める
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土方さんが大坂から帰ってきて、僕達三人は千鶴ちゃんに外出許可をもらえるよう話しに言った。
…まぁ、奏樹ちゃんに急かされたからなんだけど。
「…という訳なのですが、いかがでしょうか副長。」
「いかがでしょうかじゃねぇよ。
んな事、許可できる訳ねぇだろうが。」
「えー?どうしてですか?」
「今は長州の連中が不穏な動きを見せている。
そんな中であいつを外に出せば、結果は目に見えている。
お前らも十分わかってるはずだ。」
土方さんはきつく眉間に皺を寄せている。
まあ、ごもっともな意見かな。
「しかし副長、雪村は…」
「駄目だと言ったら駄目だ。」
頑なに首を縦に振ろうとしない土方さん。
こうなったら僕達ではもうお手上げ。
…じゃあ、そろそろ秘密兵器の出番かな。
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