創作部屋

□小さくなりました☆
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「マスター、マスター」





子供特有の高い声で、キャッ、キャッと騒ぐ声が聞こえる。
正直言って、耳が痛い。
それに、普段よりも何十倍も疲れてもう休みたい。





「マスター?」





休みたくても、休めない。
俺を呼ぶ声の主が原因だ。





「なんだ、カイト?」

「マスター、元気がないの?」

「ううん、違うぞ」

「なら、良かった」

「あはは……」





俺のパートなであるカイトが、何故か小学生ぐらいの子供になってしまった。










数時間前ーー……






「メイコ、カイト。買い物してくるから、留守番よろしくな」

「はぁーい」

「いってらっしゃい、マスター」

「おう」





夕飯のおかずを買いに、近くのスパーへと買い物に行った。
昨日バイトの給料が入ったから、今日の夕飯は少し贅沢でもするか。





その時、俺は呑気に夕飯は何にしょうかと考えていた。
家に帰って来たら、とんでもない問題が待っているとは。
夢にも思っていなかった。










「ただいま」

買い物から帰って来た時、部屋は静まり返っていた。







何かあるなぁ……。







今までの経験から、何かがあると直感した。
おそるおそるリビングの方へ行く。
バン!?と勢いよく開ける。
中には、メイコもカイトもいなかった。





本来なら、留守番をしている筈の二人がいる筈。
また悪戯でも考えているなぁ。
悪戯好きのメイコの為所で、前にとんでもない目にあったのは記憶に新しい。





さて、今日はなんだ!?と考えていると、ドン!!と腰に体当たりを食らった。




「うわぁ!!」





年甲斐もなく、情けない声を上げる。
ぎゅっと腰に何かが付いていた。





振り向くと、見覚えのある青い髪と瞳。
しかしだ。
見覚えのある人物は、青年の姿をしている。
今、俺に抱き付いているのは、どう見たって子供。
一体、誰なんだ?と疑問が浮かぶ。







「カイト!!何処に……げっ!?マスター、帰って来たの?」

「メイコ。女なんだから、「げっ!?」とか言うな!!それより……メイコ……。この餓鬼は誰だ?」

「見て分かんない?カイトよ、マスター」







何、言っての?って目で見られても分からないものは、分からない。
キラキラと大きな瞳で見てくる子供。










まさか、本当にーー……。










「カイト……なのか?」

「マスター!!」






ぎゅっと抱き付いてくる。
この子供は、どうやら本当にカイトのようだ。








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