MEMO

リアルタイムとか作ってみました
◆Sugar less prologue 


心臓を貫いて
そんな陳腐な言葉。
その言葉が頭を駆け巡るとか、リボーンを好きじゃなきゃ絶対に言わない。


「アルコバレーノには寿命があるらしいな。多く見積もって俺は後三年で死ぬ」

今日は晴れだったね、明日は雨らしいよ、みたいな口調でリボーンは軽く言った。
へぇ、ともそうなんだとも言えずに、綱吉は煙草をくわえる。手が震えてうまく火が着かない。

「アルコバレーノがアルコバレーノでいる為の仕組みがあるらしいんだが、それが解らん限りは一定年齢で体中の細胞が内側から破裂するらしい」

水みたいに溶けて消えるのかもな、なんてリボーン。
俺はリボーンに出会ってから年をとったが、リボーンあの時のままだ。
こちらの心臓が切り裂かれるくらいの宣告をうけたリボーンに、なんて言えばいいんだ?
リボーンが死ぬかもしれない。三年なんて直ぐだ。日数に直せば千何百日ちょっと。今日を過ごしてしまえばそれは確実に減っていく。

「…なんで」

まだ一口しか吸っていない煙草を灰皿に落とした。
煙草の灰が灰皿の底に落ちる前に、ボタリ、と涙が机を濡らした。

「なんでお前はそんなに…」

泣いてしまった自分が惨めでもっと泣けた。

「リボーン」

強く熱く名前を呼んだ。三年後には呼べなくなるかもしれない名前を。

「死ぬなんて二度と言わないでくれ。俺は使える全部を使ってお前を助けるから」

リボーンはにやりと笑うだけだった。

「……お前が死ぬその前に、俺の心臓をお前が撃ち抜いてくれ」





あとがき
SS2に収納したSugar lessのちょい前。

2010/07/11(Sun) 01:32

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