星の降る街

□双子探偵団
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「二人とも、起きなさい!!」

階下から、母の声が響く。

私は二段ベッドの下に寝ている、紫緒に声をかけた。

「ほら、お母さんがレベル2だよ〜。起きなきゃ・・・」

でも紫緒は母の声はおろか、私の呼びかけすら耳に入ってないようで、

代わりにすやすやと寝息が聞こえる。

「もう、紫緒ったら!お母さん来るよ〜」

枕もとに置いてあるおもちゃのバットで、紫緒を突く。

何故、バットが置いてあるかって?

もちろん、上から紫緒を起こすためだ。

「う〜ん・・・大丈夫だよ〜・・・まだ。」

一向に起きる気配ない。

「・・知らないよ、もう・・・」

私は、ベッドの梯子を降りるともう一度声をかける。

・・・でも起きない。

仕方ない・・・私はさっさとパジャマを脱ぎ、制服に着替える。

紫緒はまだ、ぐっすりだ。

「・・行くよ、ホントに知らないからね。」

「う〜ん・・・希緒はダメだなあ・・・もっとど〜んと構えてなきゃ・・・」

わけのわかならい寝言を言いながら、紫緒はまた寝がえりを打ってしまう。

そこへ・・・

「いい加減にしなさいっ!!」

レベル3の母が現れた。ドアが開く。

「あ・・ら・・・希緒は起きてるの?また、紫緒だけね・・・!

紫緒!!起きなさい!」

母が布団にしがみついている紫緒と格闘している間に、

私は軽快に階下に降りた。

身支度を済ませ台所に入ると、湯気の立った朝食が並んでいる。

さっさと食卓に着いて、食べ始める。

上ではまだ声がする。起きたんだろうか。

トーストとフルーツとハムエッグの食事を終え、コーヒーを注いで飲んでいると、

「う〜ん、今朝も紫緒とお母さんのバトルかあ。

勘弁してよね・・・昨日は遅かったんだから・・。」

と寝ぼけ眼で、姉の麻乃が起きてくる。

「あ、麻乃姉ちゃん、おはよ・・・。」

麻乃は、コーヒーを自分のカップに注ぐと、ブラックのまま飲み干した。

「お姉ちゃん、レポート?」

「そ・・・あんたも心しておきなさい・・・

このまま、上に上がるんなら、あそこは厳しいわよ〜

単なるのほほん私立とは違うんだから。

考え直すなら今のうち・・」

そして、トースターにパンをセットしている。

姉の麻乃は、大学1年生。

私たちの3年上で光聖大学という私立の大学に通っている。

私と紫緒は、その光聖大学の付属の高校1年だ。

そう、二人とも1年生。

つまり私希緒と紫緒は、双子である。2月生まれの16歳。

姉の麻乃は中学から、私たち双子は高校から、この光聖に通っている。

母と、紫緒はまだ起きてこない。

今のうちに、ちょっと私たちのことを説明しておこう。
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