03/26の日記

21:28
BLACK BIRD @
---------------






  幼い頃から
  ずっと一緒やった柚葉。







  アンタは俺のこと
  ただの『弟』やと
  思っとるかもしれへん。







  でも、俺ん中でアンタは
  初めて会った時から
  一人の『女』やった。









  もう『姉弟』の関係は
  ――……終いや。





















「久しぶりに来たなぁ」



いつ見ても変わらない風景。
私が大好きな場所――庇翼院。



「みんな元気かな……」



帰ってくるのは実に三年ぶり。
私の生まれた村が再び鵺の襲撃を受けたと聞いて、助けに向かったの。
復興までに結構時間がかかっちゃったけど。



「あの時は凄かったなぁ。
特に院長先生なんか私のこと心配しすぎて熱出しちゃって」



懐かしくて思わず笑いが込み上がってくる。
でも、院長先生以上に心配してくれたのは……


思い出せば出すほど早くみんなに会いたい衝動に駆られて、私は庇翼院の門をくぐる。
中に入って子どもたちのお出迎えがあるかなって、ちょっと期待したけどそれはなくって。
それどころか院長先生やみんなの姿すら見えなくて。
庇翼院は静まり返っていた。



「みんなどこに行ったんだろう」



少し歩き回って、そして気づく。



あっ。
そういえば、祥さんとの戦いでいつ庇翼院に火種が飛ぶか分からないからって匡さんの屋敷に避難したんだっけ。



この前の院長先生からの便りをすっかり忘れてた。



「早く行かなきゃ心配かけちゃうかな」



私は早くみんなに会いたい気持ちを抑えつつ、足早に匡さんの屋敷に向かう。





to be contined...

前へ|次へ

コメントを書く
日記を書き直す
この日記を削除

[戻る]



©フォレストページ