04/06の日記
18:41
BLACK BIRDB
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今、俺の腕の中にいるんは紛れもなく柚葉。
抱き締めてる感触や温もり、髪の甘い匂いがそれを実感させる。
ずっと会いたかった。
ずっと待っとったんやで?
ギュッと更に力を込める。
「帰ってきて早々見せつけてくれるじゃねーか」
ピキッ
このご当主が、せっかくの雰囲気ぶち壊しよって。
なんて苛々しとると柚葉が俺の肩越しから顔だけヒョコッと出してご当主と姫さんを見る。
その仕草に俺の怒りはどこへやら。また胸を鷲掴みにされる。
「匡さんだって、さっきイチャイチャしてたじゃないですか。
……そっちの女の子は?」
そういや柚葉は姫さんとは初対面やったな。
「こっちは仙果の姫さんや。
まあ、ご当主の嫁やな」
「あなたが……初めまして、姫様。庇翼院長女、柚葉と言います」
頭を下げて丁寧に挨拶するなんて、相変わらず礼儀正しいんやなぁ。
でも、んな丁寧に挨拶なんかしたら姫さん慌てるんやないの?
案の定、姫さんは慌てて背筋を伸ばすと柚葉以上に頭を深々と下げよった。
「原田美沙緒と言います!
……あの、柚葉さんって前鬼さんと恋人なんですか?」
遠慮がちに聞く姫さんの問いに俺はビクッと肩を揺らす。
脈拍数が一気に上昇しとるんが分かるわ。
でも、柚葉の口から出る言葉はきっと……
「そんなわけないですよ。
剛は大切な弟なだけです。
同い年なんですけど」
笑い声を溢しながら言う柚葉。
さっき胸を鷲掴みにされたんとは違う痛みに俺の胸が傷んだ。
to be contined...
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