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□太陽に祝福(直獅誕・秋組)
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「水っ嶋ぁああー!!!」
今日一日の授業を終え保健室に向かう途中で聞き知った声、恥ずかしいから出来ればもう少し音量を下げてほしいのが本音な明るい声が廊下に響いた。
近付いて来る足音に振り返ろうとすると背中にドンッ、と衝撃が襲った。
「うわっ!…急になんですか、陽日先生」
「ふっふーん。今日は何の日か知ってるかぁ?」
背中から離れて隣に並んだ陽日先生はキラキラした瞳をしてる。
それがあまりにも子供っぽくて外見に似合っていたから少し遊んでみる事にした。
「今日…何かありましたか?」
「おいっ、それは無いだろ!酷いだろー!!」
「廊下で騒いじゃ駄目ですって」
「俺はちゃんと祝ってやったんだぞー!!」
陽日先生が我慢ならないと再び声を張り上げた時、近くの部屋の扉が開いて中からはよく知ってる人物が出て来た。
「直獅…中まで聞こえてるぞ」
「琥太郎せんせぇえーー!!!」
振り向いた陽日先生はその人物に猛スピードで突進した。
「こらっ、離れないか」
「だってだってだって水嶋が酷いんだーっ!!」
小柄な体のお陰で何とか受け止める事が出来た琥太にぃは抱き着かれながら一つ溜息を着いた。
「郁…わざといじめるのやめてやれ」
「あんまり子供みたいにはしゃいでるもんだから、つい…」
「へ……?」
クスクス笑う僕を見て陽日先生は口をぽかん、と空ける。
「直獅」
琥太にぃが腰に抱き着いた陽日先生をそのままに保健室へと入れば、中にはいつもは保健室に無いはずの生徒用の机にケーキや惣菜が置かれている。
もちろん陽日先生の為にお酒までしっかりとね。
「これ…って……もしかしてっ」
予想通り目を大きくして驚き僕達の顔を伺う陽日先生に予定していた最初の言葉を言う。
「誕生日おめでとう直獅」
「おめでとうございます、陽日先生」
机、重かったんですからね。と早々に皮肉を言ってみても、笑いながら泣いている陽日先生には全く聞こえてないみたいだった。
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初秋組。で誕生記念。
過ぎちゃったけど郁の話も後々書きたい。(8/14も既に過ぎてるのが現実ですけどね)
11.08/31