長編 書き場

□羞恥
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「二次試験は料理よ!」
試験管メンチの発言で始まった第二次試験。
2段階審査でまず試験管ブハラの試験内容"豚の丸焼き"を周辺にいる凶暴な豚、グレイトスタンプを気絶させ70人の受験者が合格した。ここまでは凶暴なモンスターを倒すというだけの安易な内容であった。
そして今、2段階目、メンチの試験内容が始まる。

「あたしのメニューは寿司よ!」
「すし.....?」

全く聞いたことのない料理名が出題された。
知らない料理を作るなんて不可能だと思ったカメリアは頭を抱えたが、周りの反応をみても知ってる様子の人は見当たらない。

「ヒントをあげるわ!ここで料理をつくるのよ!」

メンチがそういうと広い台所が現れた。
そこには"すし"を作るときに必要な道具がそろっているようだ。

「そして最大のヒント!スシはスシでもニギリズシしか認めないわよ!」
「なるほど...これは想像力、推理力、注意力の試験かな...」

キッチンに刃渡りの長い包丁がいくつも並んでいる。料理には詳しくないがこれは確か魚を切るのに使うはず....
料理の形はあとで考えるとしてまずは魚を捕まえに行こうとカメリアは会場を後にして川へと向かった。



「うーん...こんな場所じゃまともな魚いなさそうなんだけど....」

水場のギリギリのところで魚がいるかしゃがんで覗き込むがパッと見でもみたことのない変わった魚しか見当たらない。

「食べれるのかな...」
「魚を探してるのかい?♣」
「そうそう...たぶんスシは魚を使うとおもっt...」
「?♦」

完全に警戒してなく話しかけられ無意識に返事をして横を向くと視界いっぱいにニッコリと微笑むピエロの顔が....

「わああああああああああ?!」

バッシャーーーーン

大きな叫び声と水しぶきを上げてカメリアは川に背中から落ちてしまった。

「.......大丈夫?♦」
「...うぅ...大丈夫じゃないです...」

川は浅かったためしりもちをつく程度でよかったが全身びしょ濡れになってしまった。
膝を抱えるようにしゃがんでいたヒソカがそっと手を伸ばしてくれたので手を取って立ち上がった。

「まさかそんなに驚かれるとは思ってなかったよ♠」
「全く警戒してなかったので...振り向いたらすごく近距離に顔があったらだれでもビックリしますよ...」

全身が濡れて服が重くて気持ち悪く感じ上着だけ脱いでキャミソールだけ着た状態になる。
そして脱いだ上着を手で絞れるだけ絞った。

「うわ〜びしょびしょだよもぅ...」
「・・・・・♦」
「乾くまで時間かかりそう...」
「君って結構大胆だね♦」
「えっ?」

ヒソカにそう言われ疑問に思い自分の状況を見直すと、濡れて気持ち悪いことしか頭になかったカメリアはキャミソールが透けて下着が見えていたことに気づいていなかった。

「なっ!////こ、こっち見ないでください!!!」
「君が急に脱ぎ始めたんじゃないか♠」
「そ、それはそうですけど!!顔そむけるくらいしてくれてもいいじゃないですか!!///」

手に持っていた半乾きの上着で咄嗟に前を隠して顔を俯かせた。
そう言われたヒソカはすこし気まずそうに目線だけ逸らした。

「も、もう!服乾かすんであっち行ってください!!!」
「はいはい♦」

しぶしぶとヒソカは背を向けて会場の方へ歩き始めたがピタリと足を止めて顔だけカメリアの方に向けなおした。

「君って見た目よりも身体つきは結構大人なんだね♥」
「〜〜!?////変態!!最低!はやくあっち行って!!!」

さらに恥ずかしくなってヒソカに向かって暴言を吐き、ヒソカはクスクスと笑いながらその場を離れていった。

「なんなのよあの人.....」

早く服を乾かすために近くに落ちている枝を拾って火をつけて乾くのを待った。

「はぁ...これじゃあ試験失格かなぁ...」

焚き火に当たりながら今頃メンチの試験を通過したであろう人たちを想像する。

「ゴンたちは通過できたかなぁ...」





30分くらい経っただろうか、服もおおよそ乾いてとりあえず試験会場まで戻ってみることにした。
もう合格者が決まったであろうと思っていたのだがどうも会場が騒がしい。

「あ、カメリア!」
「見かけないと思ったらどこいってたんだ?」

ゴンとキルアがカメリアを見つけ駆け寄ってきた。状況を把握できてない様子をみて二人が簡単に説明してくれた。
どうやら試験内容を馬鹿にしてきた受験生にメンチがキレて本来の趣旨とズレた試験内容になったようで批判が殺到しているようだ。
それでも試験終了の意見を曲げないメンチに困ったハンター協会の会長、ネテロが直々にでてきてメンチが実践形式で行うという条件で試験内容の変更を提案してきたという。
その結果これから飛行船に乗ってマフタツ山へ
向かうことになったようだ。

それから飛行船に乗り込み、マフタツ山について卵をとるために崖をダイブしてひとつ卵をとって崖のあがってきた。
ゴンたちも皆卵を取って戻ってくることができ、大きな釜で卵をゆでて食べた。

「こんなにおいしい卵初めて食べた...」

今までこんな危険な行為をしてまで食材を取るなんてことをしたことがなかったカメリアはとても感動した。

「第二次試験合格者42名!」
「(なんか...ほとんどなにもしてないような...)」








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