長編 書き場

□休息
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三次試験会場へ向かう飛行船の中。
次の会場へは翌朝の8時に到着するようだ。

「久しぶりに一日が長く感じたなぁ〜」

飛行船の壁にもたれかかり一息ついてハンター試験を思い返して今までの生活になかった非日常感を味わっていた。

「確か今日の昼前に"盗み喰い(アビリティハンター)"を使ったから三次試験の途中で戻るかな...」

現時点では念能力が使えなくともなんとかなってはいるが、ヒソカと接触してしまった以上いつ殺されてもおかしくないと感じたカメリアはすこし焦っていた。

「でも...使えないものはしょうがないもんな...シャワーでもしようかな」

シャワールームは使っていいと聞いていたので気分転換と川に落ちて汚れも気になっていたのでシャワーを浴びることにした。

「?」

シャワールームへ向かう途中に見覚えのない長い黒髪の人が見えた。でも受験生である番号札がついている。

「あ。」
「へっ?」
「あちゃー見られちゃったー」
「????」

カメリアのほうを振り向いては棒読みで言葉を発する人は顔は見た覚えがないが服装はどこかでみた気がした。

「......!!もしかして針人間の人ですか?!」
「んーそうだよ。でもバレちゃったし殺すか。」
「へっ?!?!」
「イルミ。それは僕が許さないよ♠」

突然殺害予告をされわけが分からないカメリアの背後から突然ヒソカが現れた。

「ヒ、ヒソカさん?!」
「あ、ボクの名前知ってたんだ♦」
「あれだけ目立ってたら名前くらい入ってきますよ...」
「なに、コイツ、ヒソカのお気に入り?」
「んーそうだね♦ちょっと気になってる♦」

何を言ってるのか理解できていなく二人を交互に見るしかできない。が、ひとつだけ気になったことがあった。

「イルミ....?たしか、あなたはギタラクルって名前では...」

針が刺さった人間はもちろん目立つせいで名前くらいは耳に入っていた。しかし、その聞いていた名前と違ったのだ。

「あーごめん♣口が滑った♦」
「いいよ。ただしキルアに言ったらあんたを殺すよ」
「キルアに...?」
「イルミはね、キルアのお兄ちゃんなんだ♠」
「えっお兄ちゃん...」
「ヒソカ、しゃべりすぎ」

兄弟ときいてイルミの顔をまじまじと見てしまう。顔も髪もまったく似ていなくほんとに兄弟かと思うほどだ。
ただ、どちらもかなり美形ではあるが....

「イルミさんって美人なのにどうしてあの顔に...」
「ギタラクル」
「あ、ここではギタラクルさんですね」
「キルアに言ったら殺すからね」
「は、はい」

無表情で淡々と脅すイルミ。その目すごく怖いです。

「それじゃあ私はここで....」

イルミの視線に痺れを切らしたカメリアはそそくさとイルミとヒソカから離れシャワールームへ向かった。

「....今のコのどこがいいの?オーラも一般人だしすぐ殺せそうだけど」
「そうなんだよね♦でも一瞬ゾクゾクしたことがあってね♥」
「??」
「もうちょっとだけ様子みてみたいんだ♠」
「あ、そう」

そしてイルミはまた自分の顔に針を刺してギタラクルの姿に戻る。

「それじゃあね」
「バイバイ♦」



シャワーを浴びてスッキリしたところで一日の疲れを癒すために早く眠りについた。

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