長編 書き場

□危惧
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不運にもヒソカと対決することになったカメリア。

「第三試合ヒソカVSカメリア!」

「トリックタワーのときあいつ一番だったんだろ?」
「ああ...カメリアの実力しかと見せてもらおう...」

試合がスタートし、レオリオとクラピカが息を呑んだそのときヒソカがカメリアに向かって即座に間合いをつめた。

「えっ!ひゃっ!」

足をかけられ後ろに倒そうになったところ片腕を引かれ地面に覆いかぶさるように押し倒され両手を押さえつけられた。

「は、はい??」
「「えっ???」」

カメリアを含むその様子を見た全員わけがわからないでいた。
そしてヒソカは耳元に口を限りなく近づけた。

「ちょっな!なんですか!ヒソ..」
「降参するつもりだったでしょ♠」
「へっ...?」
「またオーラが一般人のようになってる♠なにをした?♦」
「さ、さすがヒソカさんですね...なにをしたかはもちろん秘密ですよ...でもわかってると思いますが今のわたしじゃヒソカさんの相手なんてできません。なので降参します」
「ふーん...♦そう♦」

ヒソカは話が終わると耳元から顔を遠ざけ顔を審判のほうに向ける。

「審判♦ボクの負けだ♠」
「なっ?!」

「「はぁ?!」」

クラピカのとき同様負けを宣言するヒソカに他の人間はなにを考えてるのかわからないと怒りをあらわにしていた。カメリアも自分が降参して終わるつもりだったので意味がわからず呆然とした。

「なんで....」
「気まぐれ♦」

またまともに戦うこともなく次の試合に移った。ポックルVSハンゾーの試合はあっさりハンゾーの脅しにポックルは負けを認めハンゾーの勝利。
次のヒソカVSポドロの試合もまたヒソカが軽く相手を圧倒させまた耳元でなにかをつぶやくと今度はポドロが負けを宣言しヒソカの勝利となった。次のキルアVSポックル戦は戦うことなくキルアが負けを宣言。

「キルア...それはマズイ....」
「カメリア?」

クラピカがカメリアの発言に疑問に思っていたがキルアが次戦うのはギタラクル。キルアの兄のイルミなのだ。
ポドロのケガを気にしてレオリオが延期を要求し、そのままキルアVSギタラクルの試合になった。

「久しぶりだねキル。」
「兄...貴...!!」

顔に刺した針を抜いていつものイルミの姿になる。
イルミはキルアに友達をつくる資格はない。暗殺が天職だと脅しのような洗脳させるようにツラツラと言い聞かせていた。

「イルミとキルアは暗殺者だったの...?」
「あぁ...カメリアには知るタイミングがなかっただろうがキルアは暗殺一家だそうだ」
「ってかお前...キルアの兄貴と知り合いなのか?」
「あ...えっと...うん。でも暗殺者ってのは知らなかった」

たしかにあの常に無表情な感じと突然の殺害予告するあたり常人ではないと思っていたがまさか暗殺者とは思っていなかった。
それにカメリアは4次試験のとき親しくしてくれたのが嬉しくて友達になれたと思っていたからとても悲しくなった。

「イルミ!!」
「・・・・」

イルミはなにも言わないままカメリアの方を向く。

「私は!!イルミのこと!友達だと思ってるから!」
「「?!?!」」

突然の告白にクラピカもレオリオも驚く。
イルミが一瞬ピクリと動いたように見えたが何も答えないまままたキルアに視線を戻した。
そしてそれからキルアはイルミへの恐怖から負けを宣言した。
その後ポドロVSレオリオの試合が始まろうとしたそのとき、キルアがポドロを殺害した。

「キルア?!」

背中から鋭くさせて手で心臓を一突き、返り血を浴びたキルアの目には光がなかった。そのまま踵を返し会場を後にしようとする。

「まってキル...!!」

キルアを追いかけようと走り出すとヒソカがバンジーガムでカメリアを引き寄せ腕を掴まれた。

「ヒソカさん?!放してください!」
「ダメ♦」
「なんで?!あんなの...!!」

感情的になっているカメリアにヒソカは後ろ首に手刀を入れ気絶させた。




意識が戻ったときには試験は終わり、説明会も終わっていた。サトツさんから個人的に説明をしてもらい外にでると柱によりかかるヒソカが目に留まった。

「あ...」
「やあ♦」

カメリアを待っていたのか見かけると笑顔でこちらに手を軽くあげた。

「ヒソカさん...もしかして私を待ってたんですか?」
「まぁね♠」
「キルアはどうなったんですか?」
「ゴンたちがゾルディック家に迎えに行くみたいだよ♦」
「そっか...」

ゴンたちがついてると聞いてホッとした。
本当はついていきたい気持ちもあったがここはゴンに任せたほうがいいと思ってなにも言わなかった。

「イルミは?」
「そこにいるよ♦」

ヒソカがカメリアの後ろを指差し振り返るといつのまにかイルミがそこに立っていた。

「イルミ!!」
「カメリアーあの時の発言なにー?俺びっくりしちゃった」
「いやだってイルミがキルアに友達は必要ないとか言うから...」
「あぁあれ?キルアはまだ成長段階だからね。今は友達作ってる暇なんてないって意味でいったつもりだったんだけど」
「へっ?」

てっきり一生友達という存在が必要ないと言っていた様に思っていたカメリアはあっけらかんとした。

「じゃ、じゃあ私と友達になってくれる?」
「俺暗殺者だよ?」
「いいの!!」
「カメリアが友達になりたいならしょうがないな」
「ありがとう!」
「はいこれ、殺したい人いたら言ってね。友達価格で安くしてあげる」
「えっ...」

ピラッと名刺のようなものを渡され受け取る。一応連絡先も載ってる。
それじゃあとイルミは颯爽と姿を消した。一応友達になれたということでいいのだろうか?

「イルミ友達少ないから接し方がわかんないんだろうね〜♦」
「わたしも友達ほとんどいないから同じです」
「それより♦いつのまにイルミとあんな仲良くなってたの?嫉妬しちゃうなぁ♠」
「4次試験のときちょっと話したくらいですよ」
「ところで...♠ボクは友達かい?♦」
「あれ、違うんですか?」
「あ、そういう感じ♦」

友達がマチしかいないカメリアにとって友達の定義は特に定まってなく執拗に殺気を向けてくるヒソカであってもこうやって普通に会話を楽しめれば友達と思えるようだった。

「まぁ...それはいいとして、君はこれからどうするの?♦」
「私は...これから少し修行します」
「!♦」
「自分がとても無知だと気づきました。ハンターにはなれましたが実戦経験も全くないですし目標ができるまでは知識や実戦経験を重ねていきたいと思ってます」
「それはいいね...♥」

ヒソカはとても興奮してるようでゾクゾクと効果音が聞こえてきそうなくらい滾らせていた。

「だからそれまでは我慢しててください」
「うん...待つよ...♥君の能力もまだ未知数だし楽しみにしてる♥」
「それじゃあ....」
「あ、そういえば♦」
「はい?」

先程までの興奮状態だったヒソカが何かを思い出したようでスッと平常心に戻る。

「君、ハンター試験以前で僕と会ったことあるかい?♣」
「え?」
「なんだか君に似た人を知ってるんだけど確信がもてなくてね♦」
「ないと思います....ヒソカさんみたいな人一度見たら絶対忘れないだろうし」
「そっか♦じゃあ僕の思い過ごしだ♣引き止めて悪かったね♠」
「いえ!それじゃあまたどこかで!」



そしてヒソカとは別れハンター試験に合格したことを館長に伝えるため飛行船のチケットを予約して空港へと向かった。

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