長編 書き場

□鍛錬
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試合翌日。今日は一日観戦することにしていた。
すでに2試合のチケットを取り観戦をした、どちらの試合も念能力を隠しながら使い仕組みがバレた側は圧倒的に不利になり負ける試合だった。
念を会得すると念能力に頼る傾向にあるようで能力がバレても不利にならない基礎体力やテクニックが必要だと察した。

「よし、修行しよう」

オーラ量の増幅、"漆黒の凶器(ブラックキラー)"の新しい使い方を考えることを主に1ヶ月みっちり特訓することにした。
怠けないように受付で1ヶ月後に試合を組んでもらうことにした。

「では、一ヵ月後ですね。戦闘相手が決定しましたらお部屋のモニターでお知らせします」
「お願いします」
「ふーん♠」

カメリアから離れたところでヒソカがニヤリと笑ったが、居ることすら気づかぬまま個室に戻っていった。

「さて、それじゃあまずはオーラ量を増やすし鍛錬を....」

さっそくとりかかろうとしたところで部屋のモニターがピコンと光った。

「えっ?!一ヶ月後なのにもう相手が....えっ?!?!」

モニターに視線を向けた瞬間あまりの衝撃に時が一瞬止まったように感じた。
対戦相手は"ヒソカ"。

「な、なんで?!」

対戦相手に間違いないか確認したあと部屋を飛び出すとすぐそこにヒソカが壁に凭れ掛かって笑顔でこちらを見ていた。

「やぁ♠」
「ヒソカさん?!どうしてここに?!」
「戦闘が好きなボクがここにいるのは不思議なことじゃないだろう?♦」
「た、たしかに...!」

よく考えればヒソカがここにくることなんて全然おかしくもなかったがまったく気配すら気づかなかった。

「絶...してました?」
「うん♦」
「なんで気配消す必要があるんですか...」
「今のカメリアの驚いた顔を見るため♦ドッキリ成功♥」
「しかも部屋までバレてるし...」

うな垂れるカメリアにヒソカはいつもの笑顔でピースする。いい笑顔だ...

「しかも試合組んで...ヒソカさん意地悪すぎます...」
「一ヵ月後にわざわざ組むなんて特訓でもするつもりなんだろう?♦」
「その通りです。抜け目ないですね...」
「ん〜楽しみだね♠」
「恐ろしくてしょうがないです...」
「それじゃあね♣」
「う...はい、また...」

するとヒソカは背を向け角を曲がるときに手をヒラヒラとさせ消えていった。
怠けないようにと試合を組んだつもりがかなり気を引き締めて取り組まなくてはと緊張しつつ鍛錬を開始した。


それから2週間程オーラを増幅させるために一日たりとも休まず念の基礎修行をし、念の応用を持続させたりした。
さすがに2週間続けざま鍛錬したせいで体力に限界が来る。今日は休憩する日にしようと絶で身体を休めるとにした。
休憩に入った30分後部屋をノックされた。

「ん?だれだろう」

思い当たるのはヒソカくらいしかいないがわざわざ訪れる理由が思いつかない。特に警戒することもなく扉を開ける。

「えっと...どちらさまですか?」

目の前に立っていた男性はスタイル抜群で尚且つ美形、服もおしゃれに着こなす、外見は完璧な人だった。どこかのモデルさんであろうか、しかしそんな知り合いは誰もいなかった。

「部屋間違えてませんか?」
「やだな〜ボクだよカメリア♥」
「へっ?」
「♥」
「ええええええええええええええええええ?!?!?!」

廊下中に響き渡るほどの大声を出して驚いた。
あの奇抜な格好、ペイント、オールバックそれらが目立ちすぎてあまり気に掛けたことがなかったが、よく考えればたしかにかなり美形ではあった。一般的な格好をすればここまで完璧な人間になれるのかとカメリアは開いた口がふさがらなかった。

「なんでいつもあんな変な格好を...こっちのほうが完璧にモテますよ?」
「変な格好って酷いなぁ♦まぁそれはどうでもいいんだけど...♣」
「?」
「デートしよう♥」
「え?」
「デートだよデート♥」
「デートって恋人がすることじゃないんですか?」
「....♦」

まじめな顔でそんなことを言うカメリアにヒソカはキョトンとして言葉が詰まった。

「あー...友達でもデートっていうんだよ♥」
「えっそうなんですね!いままでそういうことに縁がなかったので知らなかったです」
「なんなら恋人ごっこでもしてみる?♥」
「それは遠慮します」
「きっぱりだね♦まぁちょうど休憩するところだっただろう?」
「よくわかりましたね...監視してないですよね?」
「さぁ?♣」

ニヤリとこちらを見るヒソカはいつもと見た目が違ってキラキラと効果音がでそうなくらい輝いて見える。

「それじゃあ入り口で待ってるから私服にでも着替えておいで♦」
「ちょっと!ヒソカさーーーーん!」

カメリアの静止の声にも気に留めずヒソカは去って行ってしまった。

「え...どういうことなの...??」

突然訪ねてきて突然誘われ突然去っていくヒソカに取り残されたカメリアはそこだけ時間が止まったかのように固まっていた。






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