長編 書き場

□休暇
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修行の休憩中にヒソカからデートに誘われたカメリアは部屋に戻り普段着ている服とは違う服に着替えた。

「一人でいる時しか着ないからなんか恥ずかしいなぁ...」

普段は全身黒が多めの服を身に着けているが、今回は白を基調とした清楚なワンピースを着てみた。元々幼い顔立ちのため見た目だけでは普通のおしとやかな少女のようだ。

「あまり待たせるのも申し訳ないし急ごう」

着替えを済ますと急いで部屋をでて闘技場の入り口まで小走りした。
闘技場前は人が多く普通なら探すのも大変だろうがいつもの奇抜な恰好をしていない私服のヒソカでもすぐに見つけることができるほどに目立っていた。


「おまたせしました!!」
「!」

カメリアの声に振り向くとヒソカは一瞬驚いた顔をしてすぐに戻った。

「うん♦かわいいね❤」
「あ、えっと..ありがとうございます//」
「白ってイメージなかったからびっくりしちゃった♣」
「普段黒ですもんね」
「それじゃあ行こうか♣」
「はい」

ヒソカが歩き出しその斜め後ろをカメリアがついていくように歩いた。
どこに行くかは聞かされていなくなにをするかもわからなかった。

「ヒソカさん、どこに行くんですか?」
「ボクがよく行く喫茶店だよ♦」
「へぇ〜ヒソカさんでもいきつけのお店あるんですね?」
「酷いなぁ〜そのくらいはあるよ♣」

一体どんなお店なのだろうとわくわくしてると賑わう街でも人通りの多い道にテラスのあるとてもおしゃれなお店の前でヒソカは足をとめた。


「ここだよ♦」
「えっ?!ヒソカさんこんなおしゃれなところによく行くんですか?!」

てっきり路地裏通りの隠れ家のようなお店と思っていたカメリアは真逆のお店に連れられ唖然とした。
慣れたようにその店に入り店員と思われる人と話すと戻ってきた。

「今日は天気がいいからテラスに座ろうか♣」
「え、は、はい...」

言われるがままに誘導されテラス席に座る。メニューを渡され何にすればいいかわからなかったため、おすすめと書いてあったガレットにカフェラテを注文した。ヒソカはコーヒーだけをたのんだ。

「ガレットってなんですか?」
「知らないのにたのんだの?♣」
「こんなおしゃれなお店きたことなかったのでなにをたのめばいいかわからなかったんです...」

ただでさえヒソカのプライベートの恰好にも慣れてなく、おしゃれなお店に来るのも初めてなカメリアはとても緊張していて落ち着かなかった。
そんなカメリアをヒソカは面白そうに見ていた。

「あの...」
「ん?♣」
「どうして誘ってくれたんですか?」
「なんとなく♦」
「まぁそうですよね」
「でもカメリアのたじたじするところが見れて満足♦」
「酷いです...」

注文した品が届くと店員さんにペコリと頭を下げ運ばれたガレットを使い慣れてないフォークとナイフで口に運ぶ。

「おいしい...!」
「そう♦それはよかった♣」

初めて食べたガレットのおいしさにカメリアは目を輝かせ笑顔になる。

「やっぱり君は笑ったほうがかわいいね♦」
「なっ//なに言ってるんですか!」
「本当のことを言っただけだよ❤」

突然の褒め言葉に慣れないカメリアは顔を真っ赤にする。髪を下ろして特殊なメイクもしていない美形なヒソカの微笑みは尚更恥ずかしさが増した。
それから照れ隠しするかのようにガレットを黙々と食べ、ヒソカがそれをニコニコと眺めていた。

「大体、ヒソカさんがゴンくんやキルアくんに興味を持つのはわかりますけど...あの子たちの成長は本当にすごいですし。なんで私までそんなに興味を持ってくれるんですか?」
「・・・・」

返事がないヒソカの方に目を向けるとヒソカはぼーっと遠くを見つめ、その表情はどこか悲しそうにも見えた。

「?ヒソカさん?」
「ん?あぁごめんごめん♦さぁ...なんでだろうね♠」
「えっ」
「気まぐれだよ❤き・ま・ぐ・れ❤」
「それはそれで怖いです...」

その後何気ない会話をしてお店を出ると少しでも修行の時間が惜しいカメリアは自室に戻ることにし、ヒソカに別れを告げる。

「ごちそうさまでした!修行の時間も惜しいので私戻りますね!」
「OK♦また今度付き合ってくれる?♠」
「ヒソカさんが私を殺さなければまたお願いします!」
「死なないように頑張ってね♣」
「が、がんばります...!」

手を大きく振ってヒソカと別れると足早に自室まで帰った。

「はぁ〜.......」

部屋に戻るとカメリアはベッドに飛び込み大きくため息をつく。

「まさかプライベートのヒソカさんってあんなに雰囲気変わるなんて...」

一緒にいた間のヒソカが脳内でフラッシュバックすると何故か顔が火照ってドキドキしてきた。

「かっこよかったなぁ....」

こんな気持ちになったことのないカメリアはこの気持ちの正体がなんなのかわからないでいた。



「.......カメリア....かぁ......♠」

同じく自室のベッドで仰向けに身を投げ出して憮然たる面持ちでポツリと呟く。

「懐かしいなぁ.....♦」






ヒソカと決闘まであと2週間.....






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