長編 書き場

□凶手
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飛行機に乗ってパドキア共和国に到着するとククルーマウンテン行きの観光バスを見つけそれに乗って向かっていた。
家に向かう前にハンター試験後にもらっていた名刺に載っていたイルミのアドレスに”カメリアですよろしくお願いします”とメールを送った。

「暗殺一家の家か.......なんか緊張してきた....」

最初は友達の家に行く感覚だったものの相手が暗殺家系だったことを思い出して急に緊張が走った。
緊張でバスガイドの話もまったく耳に入らないでいると自分の携帯のバイブレーションが鳴った。メールが届いたようだ。

「あ、返事きた....」

『うん。着いたら正面の扉開けて入ってきてね』

「??????鍵空いてるってことでいいのかな」

あまりにも当たり前の内容に意味がわからないでいたが出迎えないから勝手に入ってこいという意味で捉えて了解の返信をした。




バスに揺さぶられククルーマウンテンの山頂に到着するとバスの乗客全員降りていった。カメリアも一緒に降りると目の前に飛び込んできたのは首を限界まで倒すくらい見上げた塀の高さと人が通るにはデカすぎる門。見ただけでもかなり重厚で普通の人間では開かないであろうと察した。

「あ........なるほど.......」

先程のメールの意味がわかりため息をついた。
ガイドさんがバスに乗ってくださいと呼ばれ、ここで降りますというと乗客そろって唖然とされた。何回も確認されたが大丈夫ですというとバスは来た道を戻っていた。

改めて門に向き直すとまずは試しに扉を開く感覚で押してみたが、当たり前のようにびくともしなかった。

「まさか会う前に試されるなんて....」

はぁぁと大きくため息をつくと、カメリアは背負っていた荷物を下ろして肩をぐるぐると回して気合を入れた。
扉には7までの数字が書かれてありおそらく力の強さに応じて扉が開くのだろう。全身にオーラを纏い手足にオーラを集中させ硬にする。

門が開かなかったらどうしようと少し不安に思いつつも1の扉に両手をついて踏ん張った。

ゴゴゴゴゴゴゴ

石像でも押しているかのような重く鈍い音と共に”4”の数字が印された扉がゆっくりと開いた。
カメリアが通れる程扉を押して手を離し中に入るとまた鈍い音を立ててバネのように閉じた。

「はぁはぁ......開いてよかった.....」
「やぁ、久しぶり」

扉を開けて入ると目の前にイルミが立って待っていた。

「イルミ!久しぶり!」
「ちゃんと念は使える状態だね。4まで扉開けれるならまぁ及第点かな」
「門前払いされなくてよかったよ...」

修行の程で行くことになってたので”盗み喰い(アビリティハンター)”を使わないで来てよかったと心の底からほっとした。
久しぶりの再会に浸る間もなくついてきてとイルミは背を向けて歩き始めた。カメリアは一息つく暇もなく慌ててイルミの後を早足でついて行った。




「ここがカメリアの部屋ね」
「え?」

突然と部屋を与えられてよくわからないでいるとイルミも疑問符を浮かべた。

「ヒソカから3ヶ月程修行ついでに面倒みてくれって依頼されたんだけど....?」
「えぇ?!」
「なんだカメリアには言ってなかったんだ」
「な、なんでヒソカさんはそんなこと....」
「さぁ?俺は依頼されただけだから理由は知らないよ?」

まさかヒソカからの提案は誘導だったことを知り項垂れた。しかしどうしてわざわざ3ヶ月もゾルディック家に隔離させようとしたのかはカメリアにもイルミにもわからなかった。

「まぁ....ヒソカさんの考えてることはわからないけどイルミに修行つけてもらえるのはありがたいかな....」
「途中で逃げ出そうとしたらミケの餌だからね」
「ミケ?」
「ん」

ミケがわからないでいるとイルミがカメリアの後ろにある窓の外を無言で指差す。そちらに振り替えるとミケという名前がとても似つかわしくない巨大な犬?猫?のような生き物がグルルルルと唸ってこちらを見ていた。

「え.......」
「うちのペット」
「そうだった.....ここは殺し屋一家だ....」
「うん」

ガクリと分かりやすく肩を落とす。これから3ヶ月ここで暮らしていけるかまた不安になった。

「あ、3ヶ月もお世話になるならご両親にも挨拶しないと」
「律儀だね。たまたま会った時でいいよ。もう母さんも親父も知ってるし了承してるから」
「えぇ....そんなでいいの?」
「うん」

礼儀的な問題でダメな気はしたがイルミの言葉に甘えることにした。修行は明日からということで今日は屋敷を見て回っていいよと言いイルミは部屋を出て行った。

「とは言っても.....なにもわからないんだけどな....」

部屋に1人になったらカメリアは持ってきた荷物を広げ服をクローゼットに掛けた。

「修行が明日なら今日はもう着替えてもいいかな」

この後大きく身体を動かすことがないと思い外行きの服から部屋着に着替えようとトップスを脱いだ。

「カメリア。今日仕事なくなったから屋敷案内してあげy..........」
「......................」

ちょうどトップスを脱いで下着の姿になったところで突然イルミがノックなしに入ってきて2人の間に沈黙が流れた。

「見た目によらず身体つきいいんだね」
「ヒソカさんといいイルミといい一体なんなの!!!!!」

既視感を感じていると想定外の発言にカメリアは顔を赤くし脱いだトップスをイルミに投げつけてベッドにあったブランケットを身体に巻きつけた。

「案内してくれるのは嬉しいけど着替えるから一回でて!!」
「はーい」

一旦イルミには出てもらって素早く部屋着に替えて部屋からでるとイルミが全身をジッと見て一人でうんうんと頷くと屋敷の中を簡潔に案内してくれた。めちゃくちゃ広い上にそもそも一般家庭にない部屋ばかりでもう一々突っ込むのも頭がおかしくなりそうだったのでとりあえず相槌だけうっておくことにした。








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