長編 書き場

□諾々
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※作中のカルト、キキョウの出番が少ないためキャラがあまり掴めておらず割とブレてるかもしれません。
カルト
◎男 ◎人見知り ◎大人しい性格 ◎子供らしい
キキョウ
◎可愛いものが好き ◎ヒステリック
で進めてます。読んでいる皆様とイメージと違っていたらすみません.....



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起床して着替えを済ました後は朝食を食べ屋敷の外にでて訓練をするというのがカメリアがゾルディック家にお世話になってからの日課だったが、昨夜イルミから弟のカルトが部屋まで迎えにくると伝言してくれたので今日は部屋で待機していた。

コンコンコンッ

部屋をノックする音に身体がビクリと反応した。いつもはノックなしにイルミが入ってくることが多く感覚が麻痺していたようだ。

「はーい」

返事をして部屋の扉を開けて出迎えると目の前に現れたのは和服を身に纏ったお人形のように整った顔をした美少女......

「カメリアさんですよね。お母様に言いつけられて御迎えに上がりました」
「あ、はい!えっと.....」
「失礼しました。ボクはカルトと申します」
「お、おと、弟くん.......?」
「?はい」

女の子にしか見えない弟カルトにカメリアは面食らい言葉をうまく発せれなかった。

「では参りましょう」
「あ、あの....」
「はい?」
「もっとフランクに話してもらっても大丈夫ですよ....?」

背を向けて歩き出したカルトは振り向き返事をするがカメリアの言葉に身体を向け直した。

「........わかった」
「カルトくんって呼んでも...?」

言葉には発さずコクリと頷いたの見てカメリアは嬉しそうにした。人見知りなのか人とあまり関わったことがないのかあまり目線を合わせてくれはしないがもじもじとしていて可愛らしいなと思っていた。

「お母様が呼んでるから早く....」
「あ、うん、ごめんね!いこう!」

カルトが先導して廊下を歩き出しせっかちなのか結構早足で向かっていた。道中カメリアはハンター試験中のイルミの話や兄弟について色々質問をしているとカルトは少しずつ楽しそうに会話をして最初硬かった表情もだんだん緩み、目的の部屋に着く頃には前を歩いていたカルトが横に並んでいた。

「お母様のお部屋はここ」
「なんか緊張してきた....」

暗殺一家の母にこれから対面ということに一体どんな人なのだろうかとカメリアは緊張し、心臓がバクバクしていた。そんな緊張もカルトには伝わらずついと扉を開けてしまった。

「お母様、呼んできました」
「あ!えっと!失礼しま.....」
「まぁ〜〜!待ってましたわ!カメリアちゃんね!ほんとミルキの言った通りお人形さんみたいな子ね〜!」
「へっ?」

扉が開いた瞬間キュイイイイインと鳴る機械音と共にドドドドと効果音が付きそうなほど慌ただしく部屋主はカメリアに詰め寄ってきた。

「あら、申し遅れました。私はこの子たちの母のキキョウです。イルミからお友達を連れてくるとは聞いていたのですがまさかこんなに可愛らしいお嬢さんとは思ってもいなかったわ」

昂奮から一転、キキョウはハッしてカメリアから一歩引くと咳払いをし扇子を口元で開いて落ち着き淡々と紹介をした。

「1ヶ月もお世話になっていてお顔を出しもせずすみません...私はカメリアといいます」
「いえ、いいのですよ、昨日ミルキから話をお聞きしましたわ。そこで少しお願いがありますの」
「お願いですか?」

キキョウは部屋のクローゼットに向かうと扉をバッと開けた。

「カメリアちゃんには是非、このお洋服を着て欲しいのです!」
「こ、これ.....」

クローゼットにはびっしりとフリフリの洋服からキラキラなドレスが詰まっていた。どれも派手なものばかりでカメリアからすれば見たことも着たこともない衣装に唖然としていた。

「カメリアさんの可愛らしいお顔にはこのフリルがたくさんついたプリンセスドレスなんてお似合いだと思いますの!あ〜〜でもお若いからこちらのミニドレスもいいわね!」
「えっと....あの〜〜」
「お母様はこうなってしまったら止められないよ」
「えぇ.....」

それからキキョウの興奮は収まらずカメリアに気になった服を着せては写真を撮りまた違う服を着せては写真を撮りとても楽しそうにしていた。カメリアはキキョウが楽しそうにしているのを見てなにも言うことは出来ず言われるがまま着せ替え人形になっていた。

「暗殺のお願いでもされるのかと少し思ってしまったからこういうもので安心したけど〜」
「カメリアさん似合ってるよ」
「うぅ....カルトくんにそう言われると嬉しいけど....!」

着せ替えされ続けて1時間が経とうとしていた時、キキョウから次はこれをと手渡されたボリュームがすごくて持つのも大変な純白のプリンセスドレスを身に纏った。

「まぁ〜こちらも素敵ね〜!まるでお嫁さんみたいだわ!」
「お嫁さん?」
「あら、ウエディングドレスご存知ないかしら?」

ウエディングドレスの存在を知らなかったカメリアは身に纏っているドレスが花嫁衣装ということは全く知らなかった。

「結婚....」
「カメリアちゃんは好意を抱いている殿方なんているのかしら?」
「え?好きな人...ですか...」

そういえば昔から恋愛に触れたことがなかったカメリアは結婚や恋人には一切無関心だった。恋心というのもどういう感情かわからなかった。

「いなければイルミの嫁にきてくださってもいいのですよ!大歓迎いたしますわ!」
「カメリアさんイルミ兄さんのお嫁さんになるの?」
「えっ?!ち、違うよ!イルミは友達だよ!」

キキョウの突然の提案にカメリアは慌てふためいていると部屋の扉は開き誰かが入ってきた。

「母さん、あとどのくらいかかりそう?」
「あら、イルミ。見てちょうだいカメリアさんとても綺麗でしょう」
「いや...イルミにはこういうのどうでもいいでしょ....」

用件については伝えられていなかったのかイルミがカメリアの解放時間を尋ねにやってきた。その用件を無視してキキョウはカメリアの方を手の平で指し示した。
今までのイルミの振る舞いからこういったものにも無頓着だと思い反応には何も期待していなかった。

「うん。とても綺麗だね。似合ってるよ」
「えっ......」

思ってもみなかった言葉と心なしかイルミの口元が弧を描いていたように見えカメリアは驚きのあまりキョトンとしていた。

「ん?俺なにか変なこと言った?」
「え、うん....イルミがそんな褒め方できるって思わなかった」
「え〜ひどいな〜思ったこと言っただけなのに」
「そう思える人だったんだ」
「さらにひどいこと言うね」

その後は何故かイルミも交えてカメリアの着せ替えショーが数時間にも及んで行われ1日が終わったのだった。







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