長編 書き場

□一方
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「地下競売のお宝丸ごとかっさらう」

ゴーストタウンに並ぶ1つの廃ビルに幻影旅団が3年2ヶ月ぶりに全員集合していた。

「それで、カメリアは誰も見かけなかったか」

クロロが全員を見渡すが誰一人として声をあげるものは居なかった。

「そうか。引き続き見つけ次第生きたまま連れてこい」

淡々と言葉を発すると全員に背中を向けて歩き出した。

「(結局図書館に張っていても現れなかったな。どこにいるんだカメリア)」





ーー9月1日ーー


クロロ、ヒソカ、コルトピ、パクノダ、ボノレノフ、フィンクスがアジトに残り他のメンバーでオークションの品物を盗みに出ていた。

「団長♠どうしてカメリアって子を探してるんだい?♣」
「団員にする」
「欠番はないのに?♦」
「元々団員にするつもりはなかったが気が変わってな欠番がでるまでの補欠ってやつだ」
「ふーん♠」

ヒソカはカメリアの事を知らない程で探りを入れた。クロロの方はヒソカとカメリアの接点があることを知ってはいなかった。

「団長が目を付けるなんてどんな子かしらね」
「まさか惚れたんじゃないの?♠」

パクノダとヒソカの会話にクロロはなにも返事はしなかった。するとヒソカは急に立ち上がり歩き出す。

「あっと忘れてた♠今日人と会う約束してたんだ♦行って来るよ?」
「…………悪企みか?ヒソカ」
「もちろん❤」

お互いに不敵な笑みを浮かべヒソカはそのままアジトから姿を消した。







ーーーそれからヒソカはある人物を会う為約束の場所で待っていた。

「早かったね❤安心しなよ♣今キミと戦る気はないから♦」
「無駄話はしたくない。早速お前達の事を聞かせてもらおう」

そこに現れたのはクラピカだった。ハンター試験の時と比べると別人の様な佇まいでピリピリと緊張した空気がはしった。

「そうかい?それじゃ.......」

するとヒソカはクラピカに幻影旅団についての情報をつらつらと述べた。

「そして団長なんだけど....♠」
「なんだ?」
「どうやらカメリアを探しているようなんだ♣」
「カメリアを....?」

久しぶりに聞いた友人の名前に一瞬クラピカの気が緩んだがすぐにまた凛とした顔つきになる。

「詳細はわからないが団長はカメリアを団員にしようとしてるみたいなんだ♦」
「........」
「正直ボクはカメリアが団長に捕まるのが面白くないと思って今ゾルディック家に隔離させてる♦」
「キルアの......」
「だけどボクの友達が嫌な予感がするっていうんだ♠かなり感の鋭い子なんだよね♣」
「ヒソカとカメリアの関係は知らないが......もし彼女が彼女の意思で団員になったら私は彼女を殺す。でも、拒絶し囚われたとしたら私は彼女を救う。それだけだ」
「そう♦カメリアとは”ただのライバル”みたいなものだよ❤」
「?よくわからないが話を続けてくれ」
「はいはい♠」








ーーーーーカメリアが修行の一つである四大行の応用技を一定に保つ修行をしていた。この日は”絶”の応用である”隠”の状態を保つように訓練していた。当初に比べて疲れ始める時間も伸び順調だった。
修行の途中イルミの携帯に着信が鳴り着信相手の名前を見て眉をしかめたところをちょうどカメリアは見てしまった。

「仕事の電話」
「あ....うん....」

普段仕事の電話が入るとき表情が変わる事などなかった為とても気になり去るイルミを目で追っていた。好奇心もそうだがなんだか自分にも関係のあるようなそんな気がした。カメリアは今”隠”のままである事に悪事が頭をよぎったが見つかれば殺されるかもしれない...そう思いつつも身体はすでに動いておりイルミの後を追っていた。見えないように壁伝いに慎重に近づいていき、声が聞こえる位置まで近づいた。


「十老頭を始末すればいいわけ?」
「(十老頭?)」

聞こえてきた名前は全く知らない名前で自分の感が外れたと思ったそのときだった。

「親父たちが十老頭からクロロを始末するように依頼されてるみたいだしまぁオレが始末するまで頑張ってね」
「?!」

予想外の人物の名前にカメリアは驚いて念が乱れてしまった。もちろんその隙にイルミが気付かない訳もなくものすごい殺気が向けられた。

「カメリア?」
「あ....えっと....」
「もしかして聞いた?」
「ご、ごめんなさい.....!!」

今まで感じたことない殺気に本能で殺されると感じたカメリアは反射的に"盗み喰い(アビリティハンター)"で”空間転移(テレポーテーション)”を使いその場から姿を消してしまった。

「あ.......」

目の前からカメリアが消えてしまって初めて自分が殺気を放っていたことに気がついた。周辺でカメリアの気配を感じなかったイルミはすぐさま電話をかけた。

「あ、もしもしヒソカ?」






「ごめん。逃げられた」










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