長編 書き場
□都市
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Prrrrr
ヒソカの携帯に着信が鳴る。画面に表示される名前を見てため息をついて携帯を耳に当てる。
「どうしたの?♦」
『ごめん。逃げられた』
「なんとなくそうだろうって思ったよ♣」
『どうする?俺も仕事入ってヨークシン向かうことになったんだけど』
「そのままでいいよ♠カメリアがヨークシンに来た確証はないでしょ?」
『まぁね、どちらかというとオレの殺気を感じて反射で逃げられた感じ』
「なにしてたの....♦」
『つい癖で殺気だしちゃった』
ーーーーーーーー
「ここは......」
イルミの殺気から逃げるように瞬間移動したカメリアは薄暗い裏路地に飛んでいた。正確に場所をしていしなかったため自分でもどこに飛んだのか分かっていなかった。
とりあえず表に出れば場所がわかるかもしれないと思い表の街に出る道を探して歩く。
「ここって.....」
人の声が聞こえる方に向かって歩きバッと視界が開けると今までにない数の人が視野に入ってきた。
高層ビルが立ち並び今まで渡り歩いてきた街の中でも1番発展しているように見えた。初めて来たはずの場所だったがカメリアはこの街に見覚えがあった。
「ヨークシンシティ.....」
ゾルディック家の屋敷で何度か耳にした都市の名前に好奇心のあったカメリアは暇な時間でヨークシンシティについて調べたときに見た写真の風景と酷似していた。恐らく直近で見た景色だったためここに辿り着いてしまったのだろう。
能力を使ってしまったため一切念能力を使えなくなってしまった上に修行中に飛び出した為一文無しの状態であるカメリアはこれからどうしようか悩んだ。
「カメリア.....?」
「え?」
「わー!ほんとだ!久しぶり!天空闘技場以来だね!」
後ろから名前を呼ばれて振り返るとそこにはゴン、キルア、レオリオが立っていた。
「おお!カメリアじゃねぇか!」
「ゴンくん、キルアくん!久しぶり!天空闘技場の時は挨拶もしないでごめんね。レオリオはハンター試験以来だね!元気にしてた?」
「本当だよ!なにも言わずどっかいきやがって!結構探したんだぜ?」
「まぁまぁ、またこうやって会えたしいいじゃん!」
「俺ちゃんと念を覚えて成長したんだぜ.....ってカメリアはまだ覚えてないのか?」
「えっと......」
久しぶりの再会に喜んでいたがレオリオが念を会得した自慢をするとカメリアの異変に気づきゴンとキルアもハッとしたようにカメリアを見た。
「え、お前....闘技場じゃすごいオーラを感じていたのにどうしたんだ?」
「えっそうなのか?」
カメリアが戦うところを見ていたキルアとゴンはオーラ量を知っていたため不思議に思い、一方レオリオはそんなことは知らず戸惑った。
「念能力者って知られないようにオーラを微調整してるんだ!」
「へぇ〜そうなんだ!全然わからなかった!流石はカメリアだね!」
「念って深いんだなあ」
「........」
とても苦しい言い訳だったがゴンとレオリオは素直に受け入れていた。キルアだけが疑うような目を向けたが問い詰めることはしてこなかった為カメリアも咄嗟に話題をきりかえようとする。
「それより、3人はここでなにしていたの?」
「今、お金が必要で大金を稼ぐ方法を探してたんだ」
「グリードアイランドを買う為?」
「え!なんで知ってるの!?」
キルアとゴンがグリードアイランドを手に入れようとしていることだけはミルキから聞いていた為大金の必要な理由は
すぐに分かった。驚く3人にカメリアは自分の天空闘技場以降の出来事を話すと今度は呆気にとられたような顔をした。
「まじかよ。よく兄貴と修行なんてできたな....」
「お前のその根性は尊敬するぜ」
「やっぱりカメリアはすごいね!」
「あはは......まぁ、話を戻して、お金を稼ぐのになにか方法でもあるの?」
そういえばとキルアがナイフを手に取る。
「俺とゴンで品物にオーラが宿っているものを探してレオリオが伝言サイトの情報チェックをするところだったんだ」
「じゃあ私は街の人から有力情報がないか聞き込みするよ!」
「えっ?!手伝ってくれるの?」
まさかカメリアが加担してくれると思っていなかった3人は嬉しそうにした。本来はオーラの出ている品物を探す事を手伝いたかったが生憎念能力が使えない為聞き込みしか提案することができなかったが聞き込みも大事だとレオリオが言ってくれた為キルアも不思議に感じることはなかった。
「それじゃ作戦開始!」
「「「ゴー!!!」」」