長編 書き場

□後顧
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※マチ視点の出来事
(過去勝手に捏造してます)

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カメリアが決闘の当日胸騒ぎがして仕方がなかった。
しかし、カメリアが負けるなんてことは一切思えなく笑顔で手を振る彼女を見て考えすぎなのかとも思えた。

見送った後何度か様子を見に行くか悩んだが約束した為踏みど止まりずっとそわそわしたまま帰ってくるのをただ待っていた。

しかし辺りが暗くなっても彼女は帰ってこなかった。
あのカメリアが手を焼いているのだろうか?

痺れを切らし等々花畑に来てしまったが戦っている様子は感じられなく次第に焦りが出てきて彼女を探し回る。

「カメリア........!」

仰向けで横になる彼女を見つけると慌てて駆け寄った。気持ち良さそうな表情で眠る姿に一瞬安堵するが声をかけても反応はなく不思議に思い頬に手を伸ばすととても冷たかった。

「嘘?!カメリア?!嘘だよね!?」

とても信じられなくて激しく身体を揺するが全く反応はなかった。
あの時感じた胸騒ぎを軽く受け止めた自分を酷く責めた。

カメリアの亡骸を抱き、こみ上げてくる悲しさと怒りに火がついたように泣き叫んだ。

それから亡骸をどうにか街まで運ぶと簡易ベッドに寝かせ長老にカメリアの事を話した。
話したときは驚いていたがすぐに冷静さを取り戻すと”盗み喰い(アビリティハンター)“の制約で今の状態にあることを言われた。つまりまだ死亡したとは限らないようだった。
しかし制約なので手の施しようがないことを言われ、自ら目覚めるのを待つしかないようだった。それでもいつか目覚めると信じて毎日カメリアの様子を見に訪れた。

カメリアが眠っている間に大きな変化があった。
クロロ、パクノダ、シャルナーク....他にもたくさんの強い人がこの流星街にはいた。いつの間にか一緒にいることも多くなりいつしかクロロの提案で幻影旅団が結成された。

その後は幻影旅団の仕事をしつつたまにカメリアの様子を見に戻っていた。仕事で得たお金を貯めながらカメリアの目覚めを待った。そんな生活を続けて何度目かの訪問で状況が一変した。

「.......」
「?!」

部屋に入ると上体を起こし虚な顔をしたカメリアがいた。
あまりの衝撃に言葉にならない声を発し駆け寄った。

「カメリア!」
「.........?誰?」
「!」

カメリアは生きていた,,,,がしかし、記憶がなくなっていた。

「マチ。あなたの友達だよ」
「友達......」

副作用があることは聞いていた為記憶が損失する可能性は考えていた。むしろ記憶だけで済んだならよかった。
それからカメリア自身のこと、流星街について、など最低限の状況を説明した。
その後今までと変わらず幻影旅団の仕事を行いつつたまにカメリアの様子を見に行っていた。会う度に本来の明るさを取り戻しつつあった。

「マチ!見てみて!私念の才能があるらしいよ!」
「!」

念については教えなかったが元々の才能なのか気づけば念を使っていた。しかし“漆黒の凶器(ブラックキラー)”といって本来のものとは少し違うようで戦うことを避けさせていた為かそれほど成長はしなかった。
しかし流星街はテロが普通に起こる街、いつまたカメリアが危ない目に会うかわからなくあまりここに居させたくなかった。

「カメリア、流星街からでない?」
「え?」
「普通の人として過ごさない?」
「普通の......」

何度か流星街を出たいと言っていたカメリアだったがまた誰かに毒されるんじゃないかと思い中々連れ出すことが出来なかったが、流星街を出てここより遠い念すら知らない人々が過ごす街がいくらでもあることを知りそんな場所なら危ないこともなく平和に暮らせるんじゃないかと思った。

「私が連れ出してあげる」








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「なに不安そうな顔してるんだい♦」
「うるさい」

競売場でひと暴れして死体偽造をし終えたマチは集合場所に向かっていた。不安が表に出ていたのかヒソカに声をかけられ苛立つ。

「カメリアが心配かい?♠」
「.........。目が覚めてそのまま居なくなってるといいけど」

オークションが最優先事項だった為、カメリアが気絶してから別の部屋に移し寝かせたまま全員オークションに向かっていたので一人きりの状態だった。寝かせた時のカメリアの顔を見て昔を思い出し、また起きないのではないかと不安に駆られていた。

「あの時聞きそびれちゃったけどキミはカメリアとどういう関係なんだい?♦」
「親友よ」
「へぇ♦」
「アンタはなんでカメリアと一緒にいたの」
「んー、興味❤」
「危ない目に合わせたら許さないから」
「怖い怖い♦」






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