長編 書き場

□懐古
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その後一旦カメリアに関する話は置いて幻影旅団のこれからの行動について団員で話し合いがされていた。
クロロが奪ってきた能力で団員を占い色んな取引がおこなわれる様子をカメリアは大人しく見ているだけだった。
クロロの指示で来週の行動するメンバーを振り分けていきクロロとマチは鎖野郎という人を追う為アジトを離れるようだった。

「カメリアは......不本意だがここで待機してもらおう。ボノレノフ、フランクリン見張りを頼む」
「おや、いいのかい?♣逃しちゃうかもよ❤」
「その時はまた捕まえるだけだ」
「執念深いね〜♦」
「ヒソカにだけは言われたくないな。それじゃ行動開始」

クロロの合図で全員班に分かれて行動し始めた。
待機組になった4人の輪では沈黙が走る。
しばらくしてヒソカがカメリアに声をかけた。

「ボクは逃げようとしてもなにもしないから安心していいよ♠」
「ヒソカがそうでも団長命令だからな、俺は容赦なく攻撃する」
「逃げませんよ。もし逃げきれたところで後々クロロさんに追われるならクロロさんに諦めてもらうように説得します」

とは言ったもののずっと行動を縛られるのは好きじゃないカメリアはどうしたらまた自由になれるか考えていた。
またその場が静まり返るとヒソカはカメリアの隣に移動してきて腰掛ける。

「?」
「話し方はもどさないの?♦」
「!そ、それは.....」

記憶を取り戻して幼少期にヒソカと出会っていたことを知ったが以前の話し方には戻さず敬語を続けていたことを問われ動揺した。

「ずっと敬語で話してたので....いきなり戻すのはちょっと恥ずかしいというか.....」
「えー♦」
「それよりもヒソカさんはいつから気づいてたんですか?」
「敬称もいらないのに♣」
「うっ....」

少し不満そうな顔をされ申し訳なくなる。

「ハンター試験の会場で見かけたときは全然気づかなかったよ♦」
「そうなんですか?」
「名前を聞いたときに君のことを思い出したけどあまりにも見た目が若いし、あの時ボクは君が死んだと思ったから別人だと思ったよ♠」
「見た目が若いっていうのは多分仮死状態が長かったせいですかね.....」

仮死状態から復活してはじめて出会った日を記憶が戻ってから思い返すと見方が色々と変わってなんだかとても面白く感じた。

「念能力を見たときは酷似していたからびっくりしたよ♣でもやはり昔の君の方が何倍も強かったね♦そして、確信したのは君から年齢を聞いた時.....かな♠」
「それじゃあ割と最近ですね」
「そうだね♦」

思い出話に花を咲かせていると当然ながら会話の内容が聞こえているフランクリンとボノレノフは2人が昔からの知り合いだったことを知り同情したのか横槍を入れることなく大人しくしていた。

「........あの日の決闘、不戦勝にはしたくないな♦」
「えっ....?」

仮死することになったあの日カメリアがヒソカに持ちかけた決闘の話をしはじめたことに驚く。その決闘にカメリアが勝ったときはヒソカについていくことになっていた。

「それって......」
「あ、勝ったときの褒賞は変えてもらってもいいよ❤」
「あ.....ただ戦いたいだけなんですね.....」

一瞬でもヒソカから好意を寄せられたのかと少し期待してしまったがその考えは一瞬で砕かれ戦闘狂だったことを改めて感じてしまった。

「........♠」

呆れたように肩を落としていると、ヒソカは浮かない顔で見下ろすがその様子にカメリアは気づくことはなかった。

Prrrrrr

2人の会話が途切れたタイミングでフランクリンの電話が鳴りだした。
クロロが鎖野郎に捕まりゴンとキルアがまた人質として捕まってしまったようだった。

「7人とも戻るそうだ。10人揃ってねーと団長が死ぬ....か」
「ゴンくんとキルアくん無茶しすぎ.....」
「カメリア♠」
「はい?」

ヒソカが持っていた携帯をカメリアに見えるように差し出してきた。

『これからボクはイルミと代わるから話しかけないであげてね❤』
「へ?」

イルミと代わるとはどういうことなのだろうか、状況は全くわからなかったが、そもそもヒソカの考えることはよくわからないのでとりあえず頷いた。

カタンッ

「誰かいるな。調べるぞ」

4人以外だれもいるはずのないアジトから物音がきこえフランクリンが立ち上がる。

「カメリアはここで待ってて♦」
「あ、はい....」
「ボノレノフは女を見張ってろ」
「OK」

そういうとヒソカとフランクリンは物音が聞こえた方に向かいカメリアの見張りにボノレノフが残った。
しかしすぐに2人とも戻ってき子供がすぐに消えたとのことだった。

「.........」
「ヒソカさ......あ。」

戻ってきたヒソカに声を掛けた瞬間、先程の物音の意味がわかり咄嗟に会話を止めた。
戻ってきたヒソカがイルミということに気づいたからだ。

「.........」
「.........」

ヒソカに顔を変えたイルミはカメリアの隣に黙って腰掛けた。
地味に視線が痛い。そういえばこの状況になったのもそもそもイルミの会話を盗み聞きしたのがバレて咄嗟に”空間転移(テレポーテーション)”したせいでもあった。カメリアはイルミと離れた時のことを急に思いだしダラダラと冷や汗を流す。
カメリアが居た堪れなくなり小さくなっているとヒソカ兼イルミが先程のヒソカ同様に携帯の画面を見せるように小突いてきた。

『次会った時覚えてなよ』
「ヒッ」

画面を覗いてヒソカ兼イルミに目をやるとヒソカが絶対にしない蔑んだ目をしていた。
次会う時殺される。そう感じ取れるような文章と表情にカメリアはさらに居た堪れなくなってしまったのだった。





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