長編 書き場

□人質
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「カメリア!無事だったか!」
「よかった〜〜!」
「ゴンくんとキルアくんも!でもまたなにか無茶したんじゃ....」

ゴンとキルアを連れてパクノダ以外の団員が戻ってき、漸く2人の安否を目にしてほっとした。しかしどうしてまた捕まってしまったんだ....
アジトに入るなりすぐに2人は崩れていた石柱に鎖でしっかりと拘束される。

「ちょっと、なんでそんなにキツく拘束してるんですか」
「こいつら暴れるからだよ。マチもアバラ何本かイってる」
「えっ?」
「フィンクス余計なこと言わないで。カメリア、気にしないでこのくらいなんともないよ」

てっきり2人とも賞金稼ぎで旅団を追って捕まってしまったのだと思っていたが抗戦するようなことだったのだろうか?
それに人質とフランクリンは電話で話していたが賞金稼ぎ以外の理由があるのだろうか。

「!カメリア、旅団と知り合いなの?」
「マチだけね...幼馴染みなの」
「旅団の1人と幼馴染み?お前、やっぱり普通じゃないな」
「そうかも...ね。今度ゆっくり話しよう」

この状況ではゆっくり会話もできないので旅団とは関わりないこと、クロロによって連れられたことだけを軽く説明し、ちょうど話終えた頃にパクノダがアジトに戻ってきた。

「どうだったんだ?」

全員がパクノダに注目しフィンクスが尋ねる。

「人質と交換よ。そこの2人と彼女」
「え、私?」
「ええ、あなたもこの2人と一緒に私と0時までに一緒にリンゴーン空港に行ってもらうわ。そこで団長と人質交換よ」
「俺らも行くぞ」
「いいえ、私1人よ」
「のめると思ってるのか?そんな条件をよ」

どうしてカメリアが人質の中に入っているのかわからなく問いたかったがそれよりも先にフィンクスがパクノダにブチギレ、団員内で対立していた。

「そこのガキ2人と女も殺して鎖野郎を殺りに行く」
「!それはさせない」

フィンクスの敵意が一瞬ゴン、キルア、カメリアに向けられ咄嗟に2人の目の前に壁を作り手に鎌を持って前に出る。

「!」
「な、なにこの黒い壁!」
「カメリアの能力か!?」

以前とは違う能力にゴンとキルアは驚く。
遠くからその様子を見ていたヒソカ兼イルミもカメリアの能力の変化に気づき一瞬反応する。

「ほう、いいオーラしてるじゃねぇか....やるか?」
「カメリア、待って」

ヤル気になったフィンクスだったがマチがカメリアの前に腕を出し引き留められた。

「パクノダ行きなよ、カメリアも。ここはあたし達がとめる」
「マチ...!でも怪我が...」
「このくらいなんともないから」
「とめる?なめてるか?」

マチの言葉に今度はフェイタンも苛立ちさらに場の雰囲気は悪化する。

「そこの女も不意打ち防いだからて調子のるんじゃないネ。」
「だから幻影旅団にもクロロさんのものにもならないっていってるじゃないですか!なにが不満なんですか!」

カメリアはいつ攻撃されても守れるよう2人の周囲に神経を張り巡らせ、パクノダを行かせるかどうか団員たちがまた揉め出した。

Prrrrrrr

フランクリンが冷静に対応し収集がつきそうなところでフィンクスのポケットから電話の音が鳴る。

「もしも....」

そう言ったところでカメリアに電話が投げられる。

「ガキに渡せ」
「.....」

受け取った電話をゴンに渡す。

『大丈夫か?カメリアも一緒か?』
「うん、ちゃんといるよ」
『ヤツらは?』
「全員いる」

ゴンの電話の声がカメリアにも届き漸く鎖野郎の正体がクラピカだということに気付いた。一度2人が逃げた際カメリアのこともクラピカに届き一緒に救出を試みてくれたのだった。

「そっちの条件通りこれからパクノダと人質3人を向かわせる」

電話を終えると先程まで殺気を放っていたフィンクスたちが大人しくなり、ゴンとキルアの拘束も解かれた。

「ついてきて」

パクノダの声かけでカメリア、ゴン、キルアはパクノダの後をついて行った。アジトを出る間際にマチの方を振り返ると微笑んで見送っていた。

「....」

パクノダは3人を拘束することも殺気を放つこともなくただ黙って指定された場所に向けて歩いていた。
その間にゴンとキルアが今置かれてる状況について丁寧に説明してくれた。

「それでクラピカくんが捕らえたクロロさんと私たちが交換ってことなんだ....」
「連絡先交換してなくてカメリアに伝えれなかったんだ。ごめんね」
「それよりお前旅団の団長とどういう関係なんだ?」

そもそもクロロによって連れてこられたこと、当たり前のようにクロロさんと呼んでいることに当然キルアは疑問を持つ。

「元々は幻影旅団の団長だなんて知らなかったんだよ....ただの顔見知りだったんだけど....」
「お前もゴンも尽く厄介な奴に絡まれるよな〜」
「「あははは.....」」

パクノダは3人の会話を後ろで聞きながら切なく微笑んだ。





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