長編 書き場
□雑談
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「あーーー!!カメリア!」
「お前!OKだした直後に断るってなんだよ!」
「ほんとにごめん…..」
キルアとゴンが修行をしている場所を聞き、クロロの指定日日までの間に2人の元を訪れた。
しかし、特に修行をしているようにも見えなく何やら考え事をしてるようだった。
「ところで….修行は…..?」
「今、こいつの必殺技を考えてるところだったんだ」
「なるほど…発の修行だったんだね」
「「・・・・」」
2人はカメリアを見るや否やハッとして目を光らせながら距離を詰めてきた。
「そういえばお前、黒い物体を出してたよな!操作系か?具現化系か?」
「あれかっこよかったね!なんて能力?!」
「えっ?あ、あぁ…..」
キルアからの質問攻めとゴンの好奇心に満ちた眼差しを向けられたじろぐ。
念能力を相手に教えることはタブーとされてるが、2人は仲間であり、念能力について教えることで彼らの参考になるのならと喜んでカメリアは自分の能力を説明した。
能力系統が2人とは違うため参考になるかはわからないがそれでも真剣に聞いて自分に合った能力をまた考え始める。
「2人とも審査まで時間もないだろうし、邪魔すると悪いから私はそろそろ行くね」
「え、もう?」
「うん、直接謝るために来ただけだったから」
「そっか〜」
少しの間しか一緒に居れなかったことに残念がるゴンとキルアだったが、審査までに時間がないのは事実だったので、すんなりと受け入れた。
目的を果たしたカメリアは2人の元を離れ数十分ほど歩くと、とても嫌な予感を感じた。背後に何かいる。
恐る恐る振り返ろうとすると、完全に振り返る前に両肩をガシリと掴まれた。
「カメリア」
「ひっ」
名前を呼ばれた瞬間ものすごい殺気を放たれる。
「やっと見つけた」
「イ、イルミ……」
そのまま恐る恐る後ろにいたイルミの顔を見ると、表情こそいつも通りだが殺気から機嫌の悪さが伺えた。
「な、なんでしょう…?」
「なんでしょう?じゃないでしょ。俺から逃げたこと許してないから」
イルミとの特訓中に逃げ出した、正確には反射神経で飛び出したことについて言っているのだろう。
「で、でもヒソカさんはそのことについてイルミは怒る理由がないって…」
「怒ってる」
「えぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
口では怒っているというイルミだが先ほどの殺気は無くなっておりジト目でカメリアを見下ろしていた。どうやら怒っているというよりは拗ねているように感じた。
「えっと….どうしたら許してくれる?」
「ちょっと俺に付き合ってよ」
「ちなみに何を….」
「ん」
「?」
イルミは無言で指を指さし、カメリアはそちらに目を向けた。落ち着いた雰囲気の喫茶店のようなところを指しているようだった。
「喫茶店?」
「俺とお茶しよ」
「それだけでいいの?」
うん、と首を縦に振るとその喫茶店に向かった歩いて行った。
イルミがお茶しようだなんて意外だなと思ったことは胸にしまっておくことにした。
店内は薄暗く静かで、アンティークな小物がたくさん飾られており、どことなくイルミに合った雰囲気を感じた。
ソファの席に座るとイルミはコーヒーを、カメリアはカフェラテを注文し、数分もしないうちに運ばれてきた。
「俺が喫茶店に入ろうなんて意外と思った?」
「え、えっ?!まぁ…..正直?」
心の声が漏れていたのだろうか、思っていたことを第一声に言われ一瞬戸惑ったが隠す必要はないと思い正直に答えるとちょっとだけ眉をひそめた。
「まぁいいや。それで?俺の元を離れた後のことまだ聞いてないんだけど?」
「それで拗ねてたの?」
「は?拗ねてないけど?」
図星なのだろうが気に食わないようでより一層眉をひそめて不機嫌な顔をした。
「イルミの表情が変わる初めてみた!」
「失礼なヤツだね、人のことを仏頂面かのような言い方じゃない」
「いや….そうでしょ….」
ここまではっきりとイルミの表情が変わるところを初めて見たカメリアはそれだけで嬉しく感じた。
「それにしても、見ない間に随分と強くなったんじゃない?ヨークシンで何があったの」
「イルミには話せてなかったけど、私記憶が戻ったの」
「?記憶が戻ったからっていうのと強くなったのとどう関係あるのさ」
強くなった理由を聞いたのに記憶が戻ったと言われ意味がわからなかったイルミは首だけを横に傾ける。
ゴンやキルアに話したことと同様にイルミから離れた後のことを時間をかけて話した。その間イルミは黙ってカメリアの話を聞いていた。
「ふーん。まさかヒソカとカメリアが元々知り合っていたのは驚きだね」
「偶然すぎて私もびっくりしたよ〜」
驚いたとはいうものの話を聞いていても全く表情も変わっていなかったので本当に驚いてるのかはよくわからなかった。
「力も取り戻したんだし、これからヒソカに追われるんじゃない?」
「確かに、すごく決闘を迫られてる…..」
「まぁそうだろうね〜」
なぜかとても楽しそうにコーヒーを啜る。
「あ、記憶も力も戻ったけど、私とイルミは友達のままだからね!」
「ブフッッ」
「イ、イルミ?!」
突拍子もないカメリアの発言にイルミは飲んでいたコーヒーを吹き出してむせた。
初めてみるイルミの焦る行動にカメリアもわたわたとする。
「いきなり何言い出すの」
「いや、だって私が変わったから友達やめるとか言い出すかと思って」
「あー俺は別にヒソカみたいに強いやつと戦いたいって気持ちも、クロロみたいな変な執着もないから」
「そ、そっか」
イルミの言葉に安堵したカメリアはほっと胸を撫で下ろした。
なんだか自分の言葉に気恥ずかしくなったイルミはカメリアに悟られないようにそっぽを向いた。
それからまだ時間に余裕のあるカメリアは気の済むまでこれまでのことやこれからのことをたくさん話す。それを聞くイルミも満更でもないような感じだった。