長編 書き場

□戦力
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一悶着が落ち着き、漸く本題に入る。

「カメリアはヒソカと一緒にいたんだね」
「まぁ、ヒソカと一緒に行動してるってのは俺たちに言いにくいよな」
「ご、ごめん…隠すつもりはなかったんだ…」

怒られると思ったカメリアは逆に同情されて何とも言えない気持ちになる。
見知らぬ男性は簡単に自己紹介し、名前は“ゴレイヌ”というらしい。
4人はバインダーにクロロの名前が残っていたことでその人物が誰なのかを知るために同行
アカンパニー
で飛んで来たようだった。

「でも、カメリアにもこの後会いにいくつもりだったからちょうどよかった」
「私に?」
「ええ、今カード集めにこだわりのない強い人を探してたの」

4人の話を聞くに、ランクSSのNo.3一坪の海岸線を手に入れるために必要な人数を集めたいらしい。何度かすでに挑戦しているが戦力が足りず引き返し今に至る。
この一坪の海岸線はカード化限度枚数がたったの3枚しかないので、強いということに加えクリアしてもカードが必要ない者という厳しい条件のようだった。

「なるほど…私とヒソカさんはカードは必要ないのでそこはいいのですが…」
「ボクはOKだよ♣︎面白そうだし♦︎」

カメリアは地味にカードは集めてはいたもののクリアするつもりはなかったので、そこは特に気にしていなかったが、強いことが条件にあるということは念能力を使うことはまず避けられない戦闘になる。そうなるとヒソカに改めて癖や戦い方を分析され後に控える決闘が尚更不利になるかもしれない。そう思うと少し悩むところがあった。

「ちなみにそのクリア条件って聞いてもいいかな?」
「1vs1のスポーツ勝負だよ」
「えっスポーツ勝負???」

てっきりシンプルな戦闘を求められると思ったカメリアはスポーツと聞いて頭に疑問符を浮かべる。

「それって強い人の意味ってあるの?」
「スポーツ勝負とは言ってもあいつらも念能力を使って妨害してきたりするんだ。スポーツの内容も向こうが提示してくる」

これまでの勝負内容をキルアが丁寧に説明してくれると、念能力を使うとはいえ、ガチガチの戦闘になるわけではなさそうでカメリアはホッとした。

「それなら、私でよければ手伝わせてもらうよ!」
「よかったー!ありがとうカメリア!」
「なんだかんだお前と共闘って初めてじゃね?」
「確かにそうかも!」
「ねぇボクは?♣︎」

カメリアの承諾にゴンとキルアは大喜びする後ろでヒソカが少し寂しそうにしていた。ゴレイヌはヒソカの不気味さに戸惑いを隠せないでいたが、喜ぶ2人を見て反対するのは諦めたようだった。

「ところで、後何人必要なの?」
「それが….」








挑戦に必要な人数があと9人も残ってることを知り、そんなに集まるのか不安に思うカメリアだったが、ヒソカが恋愛都市アイアイに向かおうと言い出し来た道を戻ることになった。
ゴン達4人が先頭を歩き、離れた後ろをカメリアとヒソカが歩く。

わかってると思うけど、ボクのことについてはなにを聞かれても答えないでね♦︎
「!」

4人には聞かれないように小声で注意をしてくる。
確かに、キルアに関してはかなり注意深い為ヒソカが何の目的でグリードアイランドに来ているのか探ってくるだろう。カメリアはみんなには申し訳ないと思いつつもヒソカに従うことにした。

「わかりました…でも暇だったのなら今回の誘いはちょうどよかったですね。」
「あぁ…♦︎あの2人を見てるとゾクゾクしてきちゃうよ♣︎」
「ちょ….」

前を歩いてるゴンとキルアを見ていやらしい笑みと共に嫌な殺気を滲み出すヒソカにカメリアはたじろぎ横に一歩距離を取る。もちろん標的になった2人もそれを感じ取って怒鳴りつけると、ヒソカは先頭に追いやられてしまった。

「なんでお前あいつと一緒に居れるんだよ!!」
「えーっと….何でだろうね….?」
「やっぱりカメリアってすごいね…」

よっぽど不気味だったのか2人の顔は青ざめて冷や汗をかいていた。
向かう途中キルアとゴンはヒソカの目的についてずっと考えているようだった。もちろんカメリアにコソッと訪ねてきたが、“たまたま出会っただけで目的はわからない“とそれとなく伝えると残念そうにする。
まもなく恋愛都市アイアイに着くと、早速カメリアが初めて来た時と同じようにゴンやビスケ達にも出会いイベントが発生し、2人は見事に引っかかる。

「どいつもこいつもこんなわかりやすいのに引っかかるなよ!」
「(自分も引っ掛かってたなんていえない….)」

キルアの言葉に耳を痛くしていると、背後で笑うヒソカを睨みつけた。

「それにしても、まさか君がこの誘いに乗るとは思ってなかったよ♦︎」
「それについては悩みましたよ…できるだけヒソカさんの目の前で戦いたくないですし」
「お陰でボクは楽しみが一つ増えたけどね❤︎」
「私は不安です…..」

項垂れるカメリアの元にゴンが駆け寄ってきた。

「ヒソカ、カメリア、バインダーのリスト見せて」

ヒソカとカメリアが話している間に4人は仲間にする人を決めたようだが、連絡手段がないらしい。少し離れたところでキルアはずっと思考を巡らせているようだ。

「いいよ、誰を探してるの?」
「ツェズゲラって人なんだけど」
「ごめんね、私はすれ違ったことないみたい」
「どうやって見ればいいんだい?♦︎」
「……」

ヒソカがいかにもゲームを知らないそぶりを見せてゴンから説明を受けるのをカメリアは呆れた顔で見る。
リストを開くと何か細工をしてゴンとキルアに見せいたが、これもまた遊びの一環としてるのだろうと思い黙っておくことにした。

「じゃあヒソカ、これ唱えてくれる?交渉はオレ達がするから」
「こんな便利なものだったのか♦︎ボクも使えばよかったな♠︎交信使用
コンタクトオン
ツェズゲラ」
「……」



「ヒソカさん….性格悪いですね….」
「ひどいなぁ♣︎」









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