伯爵と妖精
□リディアの正しい捕らえ方
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リディアを捕まえる時に用意するものはきらびやかな宝石でもファッショナブルなドレスでもない。
むしろこれらは逆効果だから気を付けたいところだ。
甘いお菓子は・・・まぁ物凄く好きだと思う。でもこの前お菓子で釣ろうとしたら
『にっニコと一緒にしないで！！』
と怒られたから今回は止めておこう。
もちろん追いかけ回すなんてもってのほか。これで何度取り逃がしたことか。
じゃぁどうやって捕まえるのかって？
ただひたすら待つんだよ。リディアが罠にかかるのをね。
「コンコン」
ほら、かかった。
「あの、エドガー？入ってもいいかしら。」
「いいよ。」
ここで重要なのは焦らないことだ。本当は今すぐ抱き締めたい所だけどそこはぐっと我慢。
「あの、さっきは私も言い過ぎたわ。ごめんなさい。次からは一人で勝手に外出しないように気を付けるわ。」
「リディアを探してる時、心臓が握りつぶされるようだった。」
悲しそうな、苦しそうな顔をする。
「エドガー」
「もう勝手に居なくなったりしない？」
ここではすがるような瞳でリディアを見つめることがポイントだね。
「しないわ。」
「今日はずっと一緒にいてくれる？」
「えぇ」
「ありがとう、リディア。」
そういってリディアをギュっと抱きしめる。
ほら捕まえた。
〜その夜〜
「リディア、お風呂に入りに行こうか。」
「えっ、なっ」
「ずっと一緒にいてくれるって約束じゃないか。」
「それとこれとはっ」
「不安なんだ。僕がいない間にリディアがどこか手の届かないところに行ってしまうんじゃないかって。」
「エドガー」
「一緒にいて、リディア？」
「えぇ、わかったわ。」
ほら、作戦通り。リディアを捕まえたいならリディアが身動きできないようにしないとね。蜘蛛の巣に捕らわれた蝶のようにね。