伯爵と妖精

□いい加減気付いてくれ
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リディアが無自覚なのは今に始まった事ではない。
何度言っても分かってくれない。

「まぁ!、もしかしたらそれは妖精の仕業かもしれませんわ」

「やっぱりそうなんですかね。そうだ、この後でも僕の家で少し調べてくれませんかね」

「この後ですか?」確かに今日のパーティはあまり遅くまでは続かない。夕方頃にはお開きになりそうだ。リディアが返答に迷っていると
「今日は無理です」
後から有無を言わせぬ声が届いた。
「エドガー!」
いつから後ろにいたのかリディアは驚いた。
「そうかそれは残念だな。ではまたの機会に」そう言うとテーラ伯爵は足早に帰って行った。
「テイラー伯爵、大丈夫かしら」
リディアは心配そうに呟く。
「リディア!ダメだよあんな誘いにのっては」
「あんな誘いって、妖精のことで困っていたのよ」
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