Inzm長編

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 「今日は鬼道が不在だが部活開始!」
 鬼道の代わりに佐久間が仕切る
 鬼道は総帥の影山に呼ばれたらしい

 




 俺は一応部活には毎日来てる
 授業はサボるけどな

 


 まぁ、サッカーは好きだからな
 嫌いなものをやろうとする気がさらさら起こらない現実
 そろそろやばいらしいけど、やる気が出ない

 



 「最初にストレッチ!2人ペアさっさと作れよ」
 





 「辺見、殺ろうぜ」
 「いやいや!"やろうぜ"の"や"が表記間違ってる!!」


 そう言いながらも何だかんだ言って、俺たちはストレッチを開始した

 
 

 



 

 「佐久間、あの練習中のシュートのことだが、」
 「あぁ、なかなかうまくいかないんだ・・・」
 ゴールの近くで源田と佐久間がしている
 今、佐久間は新技に挑戦しているが、中々うまくいっていない
 

 ・・・2人でやりゃあいいじゃん
 そう個人的に思ったが、中々言い出せない
 佐久間とは今ひとつ馬が合わないから

 





 「成神〜、寝ないの!」
 「・・・あと6000秒」
 「さりげなく長いね。はいやるよ〜」

 成神がうつろうつろになっている
 それを洞面は必死に起こそうとしているが、
 多分無理だろう





 そうぼんやり、遠くを見ていたら
 グギッ、と嫌な音と痛みが


 やばい、な。これ





 「おい!咲山大丈夫か!?」
「思いっきり挫いただろ!?」

 心配そうな佐久間と源田
 そして申し訳そうな辺見

 
 きっと先日のあれの影響
 ちゃんとケアしていなかった自分の責任


 あとで辺見に言っておこう
 

 


 「俺見学でいいよな」
 「あぁ。お大事にな」
 俺はとりあえず部室に向かった


 
 




 足か、くそ
 これじゃ当分できねえ
 ざっと一週間はできねえだろう


 その間、雑用だな
 めんどくせえ

 



 「咲山〜、入るぞ」
 「源田か?」
 「一応手当てしておくな」

 


 慣れた手つきで手当てする源田
 相変わらずだな

 



 「咲山どうかしたか?」
 「いやなんでもない」




 俺はふと思ったことを源田に聞いてみた




 「源田は佐久間といつから仲がいいんだ?」
 「そうだな・・・生まれたときから、かな」

 

 「結構長いな」
 ツッコミをいれればいいのか、ちゃんと答えればいいのかすごく迷った
 こいつがボケるなんて、珍しい


 

 「ハハッ、そうだな。そういう咲山は?」
 「俺はいない。そういう固い絆は、な」

 



 「・・・なら俺がその1号になる」
 「は?」

 



 「だから、俺が咲山の"親友"になるってこと」
 「・・・っ」


 そう真正面から言われると、
 すげえ恥ずかしい。いや笑いそうになる

 



 「咲山、顔林檎みたいに真っ赤だぞ」
 「お前のせいだっつうの」


 源田は一瞬とぼけた顔して、その後顔を崩した

 

 「咲山どうする?グラウンドに行くか?それとも部室にいるか?」
 「グラウンドに行く」
 「なら行こうか」



 俺は足を引きずりながら、部室を後にした
 あとで接骨院行かねえと、いろいろ不便だなこりゃ
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