REBORN
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太陽がとっくにのぼりきったとき凛の部屋の扉が静かに開かれた。
スルリスルリと足音一つ……否、気配すら消して凛の寝ていると思われるベットへ近づく。
そして毛布に手をかけたその時、
「ノックもなしにレディの部屋に入るのはどうかと思いますよ、ドン・ボンゴレ」
気配なく部屋に侵入した人物、基沢田綱吉の首筋に真っ直ぐ短剣を突き付ける凛。
沢田綱吉がこの部屋に入ってきた瞬間から彼女は目を覚ましていたのだ。彼女にとってどんな状況も関係なく、気配を察知することなど朝飯前なのだから。
「あ、やっぱりバレてた?」
「逆にバレないと思っていたなら流石に私をなめすぎですよ」
「そういうつもりはないけど、俺も気配消すのはちょっと自信あったんだよな〜」
「まだまだですね。リボーンさんくらいでないと簡単に察知できてしまいます。
……まあそれで?私の部屋に不法侵入した理由をお聞かせ願いましょうか?私は3時間も寝ていないので機嫌がすこぶる優れないのです」
「(だから敬語なのか。寝ぼけていたのかと思ってたんだけど)だって凛、俺の秘書でしょ?流石にそろそろ来て欲しいな〜と思って」
「……」
凛が首を傾げて数秒、沢田綱吉から短剣を離し突然ベットの上に立ち上がる。
「思い出した?」
「……着替えるから出て行って。直ぐに行くわ」
どうやら本当に寝ぼけていたのかもしれない。口調は元に戻り、苛立ったように髪を掻き上げて衣装部屋への方向へ歩いて行った。
「じゃあ俺の部屋ここの隣だから朝ご飯……いやもうお昼か?取りあえずご飯食べたら来て」
それだけいって沢田綱吉はこの部屋を後にした。
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