黒子のバスケ
□混合夢
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これは、とある学校の出来事である。
氷帝学園・バスケットボール部。
ここは200名以上の部員を連ねる跡部の帝国。
そして今日、この氷帝学園で練習試合が行われる。
東京の三大王者の一つ───秀徳高校とだ。
そこには今年、キセキの世代と呼ばれるNo.1シューターが新たに加わった。
だが、こちらにも一人いる。
何を隠そう、キセキの世代・幻の6人目が。
館内には沢山のギャラリーがいる。
大方、氷帝の生徒だろう。
いつもの氷帝コールが響く中、秀徳高校バスケ部が入ってきた。
秀徳高校が準備を進める中、氷帝学園バスケ部のレギュラーがコートの中央に歩み出した。
氷帝コールがやみ、館内は静寂に…。
縦一列に並び終えると、全員が息の揃った動きでサングラスを取り出す。
正面から跡部・忍足・宍戸・鳳───そして、黒子。
見事な動きで皆一様に掛ける。
「これから我が氷帝学園と秀徳高校との練習試合を開始する。
テメェら、一瞬足りとも見逃すんじゃねぇぞ!!」
跡部の張り上げた台詞に、部員は更に氷帝コールを強め、女性陣は黄色い声をあげる。
それに満足したのか、跡部は忍足たちを従えて元居た場所に戻った。
───ただ一人を除いては。
ただ一人、黒子だけは何故か秀徳側に向かっていく。
氷帝レギュラーがそれに気付いたのは、高尾が誰かに吹っ飛ばされた音だった。
「あーん、何事だァ?」
「…ん? ちょ、みてみィ跡部。
黒子向こうに居るで」
「あっ、本当ですね」
「おいおい…、アイツ───やべぇんじゃねぇの?」
宍戸が黒子を指差す。
一同がその先を見詰めると、遠目でも黒子の違和感に気が付いた。
「な……っ! 何をするのだよ黒子!!」
突然のことに茫然としていた緑間が我に返り、黒子を問い詰めた。
緑間が黒子の身体に触れた途端───
───緑間の身体が真横に吹っ飛んでいった。