黒子のバスケ

□伝えたい言葉はたった二文字
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オレ、火神大我は今日こそ───











───黒子テツヤに告白してみせる!















「どうしたんですか、火神君」
「へっΣ い、いや、別に…」
「? 兎に角出ましょうか、部室」
「ぉ、おう」

さっきまで練習で、今漸く着替え終わったところ。

だから部室にいた。

黒子が着替えている姿をなるべく見ないようにして着替えた為、割りと時間がかかってしまった。

先輩らは鍵をかけるため部室の前で待ってる。

あんま待たせねぇようにしねぇと……。

「先に出てますね」
「ああ、解った」

オレは急いで荷物を詰める。

………にしても、


「声に出てなくて助かったぁ…」


あんな宣言を本人に聞かれたらと思うだけで、嫌な汗が流れる。

「さっさと出てこいやバ火神ィ!!」
「ッ、はいっ! 今行く…です!」


……結局キャプテンに怒鳴られちまった…。










最近、帰りはいつも横に黒子がいる。

一緒にマジバに行き、くだらない話をして、その僅かな時間を楽しむ。

「火神君、今日もマジバに行きますよね?」
「ん? おう、腹減ってっしな」
「ボクはそこまで空いてませんが」
「お前よくあれだけで足りるよな」
「火神君が食べ過ぎなんですよ」
「そうかぁ?」

この何気ない会話も好きだ。

「………ぁ」
「ん? どうし………ぁ」

直ぐ目の前には目的地であるマジバーガーが。

その店内は、遠目にでも解るほど混んでいた。

「……どうします?」
「……取り敢えず買って他んとこ行くか」
「はい」

俺たちは暑苦しい店内に足を踏み入れる。

……人多いな…。

漸く中腹まで辿り着くと、

「………アレ?」

黒子が…居ない?

「…おい、黒子ー?」
「…火神…く…」
「黒子? 何処だ黒子っ!」
「……ここでふ…」

辺りを見渡すと、人に埋もれてる黒子を見つけた。

辛うじて出ている右手を握り、その場から引っ張り出す。

「あ、ありがとうございます」

それから急いでハンバーガーを買い、それを入れた袋を手に提げ右手でシェイクを受けとる。

そのまま早足で外に出ると、久しぶりに新鮮な空気を吸った気がした。

「ほらよ」

オレがシェイクを差し出すと、黒子はそれを左手で受けとる。

「ありがとうございます…///」
「んじゃ、何処行くよ?」
「えと…///」
「公園行くか? それとも……オレん家とか」
「あの…///」
「ん? どした」
「…や、その…///」
「オレん家でいいのか?」
「ぁ、はい、それは構わないのですが…///」
「うっし、なら行くか」

自分家なら人目を気にせず告白出来るしなっ!

足取りが少し軽くなり前へ進むと、黒子は立ち止まったまま動かなかった。

「黒子?」

黒子の方をみると、黒子は俯いている。

「………黒子?」

微かに顔が……赤い?

「…? ……どうし───」

黒子の左手にはオレが渡したシェイクが。

そして右手は……。

「その…少し恥ずかしいです……///」

……………右手、は…。

「あ、いえ…その。
嫌ではないのですが…///」






黒子の右手は、オレの左手にしっかりと繋がれていた。






「───ぅおあァっ!!!?!」






 
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