徒然なるままに…

□大切な想い
1ページ/4ページ


人には人の考えがあり
時に正義に
時に悪に
色んな形に変化する。


歪んだ視界で見る空を
私は知っている。

心が晴れた気持ちで
そよぐ風も…。


どんなに思っても
どんなに殺しても

景色は変わらない。




あれを恋だと
言うのなら
私は何故、好きに
なったのだろう。


あの人は…ひどい人。
私の気持ちを
知りながら、
容易く心を奪って
居なくなかった人。




兄みたいな人だった。
頼っても
ビクともしないし、
頭もよくて、
権力もお金もあった。

いつも笑顔で
優しくて、
その癖私以外の
女の人には冷たく、
厳しかった。


すごく好きだった。
幼い私は憧れだと
思った感情が
今でも無意識に
あの人を追って
いることに気づいた。


いつの間にか、
私の中での
異性の基準が
あの人になっていた。

顔も雰囲気も
カッコイい
彼みたいな人を
求めるようになった。



彼は……

初めて私を
受け入れてくれた人。

初めて私に笑顔を
向けてくれた人。


初めて…


理解してくれた人。


すごく大切
だって思った人。

そして、
たくさんの初めてが
ある人。





彼との出逢いは
まるで物語のよう
だった。


今でもハッキリと
思い出せる程。

鮮明なインパクトの
ある思い出。





初めて逢った時、
彼は泣いていた。



その日は太陽が
眩しいくらい
よく主張する
五月晴れの日だった。

暇に任せて、
何時ものように
公園のブランコで
遊んでいたら

突然やってきた
不思議な人。



その日は
澄み渡る青い空が
広がっていた…。

本来なら涙なんて
似合わないはずの
天気なのに…。


何故だかその時の
彼の姿はすごく
似合っていた。


普通なら
全てが不釣り合い
だと思うのに…。


俯く彼の姿は一段と
似合っていた。


あの時……

彼の涙を見るまでは

涙があんなにも
綺麗だなんて
思いもしなかった。




.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ