Parallel

□扉は開く…
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『僕の心を捕まえて
ごらん…アリス


僕はいつも君の
側にいるよ』


いつも見る同じみの夢のセリフ……。
だが今日だけは違った。


これは物語の始まりの音が近付いていく証し。

だが綱吉は気付かない。
だってあの子は忘れてしまうから…。

この夢の存在を…――






『早くおいで…
綱吉……。』






***

翌朝、綱吉は今日もギリギリに起きていた。
だが今日の理由は少し違う。
夢の存在を覚えていたから…。


(なんであんな夢、見たんだろう……。
今まであんな夢、見たことなかったのに。)


綱吉はそんなことを考えていたため遅刻してしまったのだった。

「遅刻だぁー!!」

そんな事を叫びながらいる綱吉。
その様子を見ていると後ろから突然声を掛けられる。
それは日常茶飯事で僕のこの空間での役割のため仕方のない事だった。
だが、綱吉を見ている時に声を掛けられるのだけは耐えかねない。

「早く僕に気付かないかなぁ……僕のアリス」


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