鬼斬丸が生まれてしばらく経った頃、出会った。
俺らは何も知らなかった。
知る必要もなかった。
ただ、彼女さえ居れば
自分は彼女を見つめることさえ出来れば良いと思っていた。
「お前は、太陽みたいだな」
そう言うと微笑んでくれた。
彼女の笑顔が自分の心に光を与えてくれた。
ずっと、その笑顔を守りたいと願った。
そのあと、彼女が役目のために地上へ降りることになる時、俺は進んで守護の任を受けた。
「私を守る必要などなかったでしょうに…誰かに頼まれたのですか?」
「これは自らが望んだこと、他のものは関係ありません…」
「永遠と終わることは無いかもしれぬこと…貴方の子孫代々までも縛られるやもしれません。それでも…いいのですか?」
「それはもとより承知の上でございます」
「そうですか…ならば、頼みます、 」
「はい、この我が身、全身全霊で貴女様をお守りしましょう、姫様」
その時、決めたこと…。
彼女…姫を守るという気持ちは幾千年たとうが変わるはずがない…。
想いの代わりに残した唯一の感情だから…。
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