本編
□Prologue
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遥か昔、世界アールマティに一つの星が落ちました。
星は大地を砕き、多様な生命を死なせました。
それを嘆いた女神オルフィスは人の生き残りであった初代と共に世界を再生させました。
しかし女神オルフィスは力を使い果たし眠りにつきました。
その際、女神オルフィスは初代に告げました。
「世界は再生した。だが人々の争いで大地は死ぬだろう。私の復活を望め。私を目覚めさせよ。さすれば私はまた世界を救おう」
「君に、私の力を授けよう。私の変わりに世界を見守ってくれ」
初代は女神オルフィスから力を授かり今も世界を見守っています。
それはずっと昔から、そして未来も。
女神オルフィスが目覚めるその日まで。
おしまい。
――…いや、もしかしたらはじまりかもしれないね。
西には夜の女神が、東には昼の女神が姿を現す頃、赤い目の青年は微笑んで言った。
親に内緒でこっそりと起きてきたキャラバンの幼子は、小さな拍手をする。金の髪の青年は一礼し、幼子のまだ薄い髪をそっと撫でる。
鞄を手にとり、幼子に手を振って黄金の聖職者は歩みだす。孔雀の羽色にも似た、あざやかな青緑の二又マントが風に舞う。
幼子は、彼の背に翼を見た気がした。
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