託された希望
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チュンチュンと
鳥が鳴く晴れた朝、
1人の少女は
己の持霊を起こし始めた
『おーいウィンディ、朝だよっ』
〈んー伊月?まだ眠いよ〉
『だーめっ!今日は用事があるから出掛けるのっ!起きてっ』
〈ウィンディ、起きろって〉
『シタリおはよう、ほらっ置いてっちゃうよ?』
〈…起きる〉
寂しがりなのか
伊月が余程好きなのか
置いていくと聞いては寝ていられないといった様子のウィンディ
〈どこ行くんだ?伊月〉
『んーまぁ、ちょっと葉のとこにね』
〈久々だね、葉のとこ〉
『よしっじゃぁお金ないし、シタリ背中乗せて』
〈言うと思った(笑)まぁ距離あるしな。行くか〉
シタリはなんだかんだ私のためにいろいろしてくれる。
持霊のウィンディとシタリ。
私の仲間であり友達であり理解者。
あ、真の姿は人間霊じゃないから“者”はおかしいかな?
理解霊…なんか違うな(笑)
わかりやすく言ってしまえば
シャーマンである私の相棒。
『オーバーソウル!シタリ!!』
ブオオオォォォォッ
シタリが巨大な鮮やかな青い龍として具現化される。媒介は水蒸気。
『さ、行こうか』
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