託された希望

□3、
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巫力を探る。以前町でちょっと見かけたことのあるあの少年。あのつんつんヘアが特徴のシャーマン。



『多分今戦ってると思うんだよね』
〈今お前が捜してるやつ、以前葉と戦ってたやつだろ?〉
『そう、ボロボロになって帰ってきた日ね』
〈名前は?〉
『そこまではわかんないんだけど…』




見つけた。ちゃんとOSしてる。でも…様子が…




『あの子…すごく寂しい…なんか…見ていられないような闇があるみたい…』
〈…伊月……〉
『なんか…悲しい…』




案の定彼は十祭司を殺してしまった。一撃を与えてもなお容赦なく攻撃し続けた。




『ねぇ待って』
「…貴様…何者だ」
『私は倉越伊月。貴方と同じシャーマン』
「フンッ俺に何の用だ」
『前に葉と戦ったでしょ?麻倉葉。ちょっと気になって…ねぇ、名前何て言うの?』
「…道蓮だ」
『道蓮、蓮っていうんだね』
「用が無いのなら俺は帰る」
『何でそんな瞳をするの?』
「……っ」
『蓮っ「貴様になど関係ない!!」
〈ぼっちゃま…〉





彼は去っていった。


しかし最後に見せた表情。あの苦しげな表情は何かを背負ってる。あの瞳からは苦しみしか伝わってこない…貴方の巫力からは優しさも感じるのに…



私は暫くその場から動くことができず、蓮の去っていった方向を見つめていた。







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