るるりら。

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人の愛とは、



時に優しくて


時に切なくて


時に――












醜い。



青葉達、そしてレギュラー達は、ある変化に気付いていなかった。

それは本当に小さな変化で、その変化を起こしている人物にしか分からない程。マネージャーになって数日間、周りも三人がマネージャーということを認識し始めた。



そんなある日その変化は、突然現れる。








ガララ、とA組の教室を開ければ、今までと違う。そう感じる空気が立ち込めた。
入学して二週間。
今だ完全にはクラスに馴染めていない青葉は、無言で席に向かった。

――が、到底座れる状態ではなかった。



机にはウザい、調子に乗るな、などの暴言がペンで書かれていた。皆に見えないように、上ではなく中に。
更にはバラバラと散らばった教科書が。
その中の一冊を手にとって開けば、つつーっと青葉の指が切れた。

真っ赤な血が指をつたり、机に落ちて広がる。


「……………痛」



痛いと流れで言ってみる。
そうすればほら、クスクスと笑う女子。
それは本当に小さくて、数人にしか聞こえないものだったが、青葉にはしっかりと聞こえた。

ふっ…と自虐的に微笑むと、何も言わずに教科書に挟まったカッターの破片を一つずつ取っていく。
その間にもプツ、プツ、と指の切れる音が響くが、青葉はいつもと変わらない表情。


一通り作業が終わると、何事もなかったかのように席についた。
と、タイミング良く跡部が教室に入ってきた。



「青葉、早かったじゃねぇか」

「……別に。跡部くんが遅いだけだし」

「あーん?…ふっ」



生意気。そう言っていつものように跡部が青葉の頭を撫でようとした―が、パシッ!とその手を払った。



「気安く触らないで」



その声は、瞳は、いつもより冷たく、凍て付く感覚を思わせた。
気安く触らないで。なんていつも言われているのに。
だけど、そう言いながら大人しく撫でられていた青葉は、今ここにはいない。
手を払われることが、こんなに寂しいことだったのか。




跡部は戸惑い、それ以上青葉に何も言えなかった。









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