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□霧
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終わりにしようと思った、この一発の銃弾で。



閉ざされた空間に生暖かな風が流れていく。じっとりとした汗が流れるのを拭うことなく、兄さんに近付いた。


青白くなりゆく兄の顔を撫で、両手で包み、見ると、唇を染める赤の美しさをより感じる。


輪郭を滑り、端から流れゆく赤を唇で拭い、その場を後にした。










 

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