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□幻
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目を閉じると、どうしても今はなき姿に思いを馳せてしまう。


あれから何十年も経ったのに、未だ薄れることのない記憶。


刀を下段に構え、確と、敵を見据える後ろ姿。


何かを守る、かのように。


彼は敵と戦い抜き、私の頬を撫でて去っていった。


あれから数十年


私は脳裏に残る彼の姿を思い浮かべながら、目を閉じた。










 

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