寝室【教授との夢】
□Reverse trip?!
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★ Reverse trip?! ★
「ああ面白かった…けど、悲しかったなぁ…」
映画、ハリーポッターの最終作を近所の映画館で鑑賞し、
ヒナは余韻に浸りながら薄暗くなった道を歩き、一人暮らしのアパートに帰ってきた。
部屋の鍵を開け、靴を脱ぎ電気を付け、
半分ボーっとしながらリビングにあるソファにドサリと腰掛ける。
買ってきたパンフレットを鞄から出し、パラパラと捲る。
セブルス・スネイプのページでピタリと手が止まった。
「セブルス……」
映画の中でナギニに噛まれ逝ってしまったスネイプ。
もうその後は涙無しには観られなかった。
ヒナは映画でスネイプが死んでしまうシーンが来るのが怖かった。
原作も読んではいたが、映像化されるとやっぱりキツイ。
好きなキャラクターが死んでしまうのを映像で見るのは何とも辛い。
原作の一作目からスネイプが大好きになり、
映画のスネイプを観てまた更に好きになった。
自分の思っていた通りのスネイプがスクリーンにいたから…。
「セブルスはもう…いないのかぁ…」
「セブルスに会いたいなぁ…」
普通の人がこの言葉を聞いたら〈この人ちょっとおかしい?〉と思うだろうけれど、
ヒナにとってスネイプはただの本の中、映画の中の人では無い。
いつでも頭の中にはスネイプがいたし、
ずっと、何年も恋してきた人だった。
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