寝室【教授との夢】
□Scar...
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★ Scar... ★
ついこの間、我輩の恋人になったばかりのヒナは今、日本に帰っている。
ヒナは日本人で、小さくて可愛らしい元気な生徒だ。
グリフィンドール生なのに授業が終わってからも何時までも教室に残り、
薬草の話や我輩の私生活の話等を聞きたがった。
始めは何故我輩の所に通うのか、我輩となんて話をしてもつまらないだろうに…と思っていたが
次第にこの日課が楽しくなって来て、私室にお茶に誘うようになった。
閉鎖的な空間で好きな紅茶を飲み、
楽しく話をしているうちにヒナの事が好きになっている事に気付いた。
想いを打ち明けるとヒナは初めから我輩に好意を持っていたのだと告白してきた。
恋人になってすぐに夏休みが来てヒナは日本に帰っていった…。
我輩はまだヒナに指一本触れてさえいなかった…。
帰ってきたら普通の恋人同士の様な関係になれるのかと思うと、
年甲斐も無く胸が苦しくなる。
向こうに着いて落ち着いたら手紙を寄越しなさいと言ってあるのに一向に来ない。
我輩が梟を送っても帰ってくる梟には手紙が付いていない…。
どういうことだ?
帰っている間に里心が付いてしまったか…?
このまま日本から此処へは戻ってこないつもりなのか…。
…まぁ夏休みが終われば分かる事だ。
「ヒナ…早く帰ってきてくれ…」
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