寝室【教授との夢】

□Longing...
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私、ヒナ・アメミヤはグリフィンドール寮7年生。

日本から魔法学校に来た。初めは英語も全く駄目だったけど、今ではきちんと話せる様になった。

そしてもうすぐこの学校を卒業する予定。

予定…というのは、単位が微妙で…卒業出来るかギリギリというところ。

私は超が付く程勉強が出来ない落ちこぼれ。

箒乗りも下手だし、変身魔法だって2回に1回位しか成功しない…。

その中でも極端に足りない単位は魔法薬学!

授業で薬の調合をすれば爆発させるし、先生の質問には緊張しちゃって答えられなくて減点…

だってその間ずっと先生に見つめられてるから…


冷たい目で睨まれて怖いから?



違う。



私はスネイプ先生が「好き」だから。



きっかけは2年生の時。

私はスネイプ先生の授業で薬の調合中鍋を爆発させ、火傷を負った。

スネイプ先生は慌てて駆けてきて床に散らばった薬を杖を一振りして消し、
その後私を抱えて校医のマダム・ポンフリーの所へ連れて行ってくれた。

その時の少し慌てた先生の顔を見て、
(ああ…こんな顔もするんだな)って思った。

よりによって大好きな先生の担当科目がダメダメだなんて…

こんなんだから今までずっと「好き」という気持ちを抑えていた。

絶対!絶対に!!この気持ち、先生にバレちゃダメ!

バレた時の事を思うと…怖くて…胃が痛くなる…。



そんな私の日課は、寝る前にその日あった魔法薬学のスネイプ先生の声や仕草を反芻する。

眉間に入った深い皺、怖いけど綺麗な低い声、太くてちょっと厭らしい指の動き。

授業中にお喋りをして頭をあの先生の手で小突かれるハリーやロンが羨ましいくらい。


その後、必ず妄想するのはもし私が優等生だったら…。

先生に気に入って貰って、仲良くなって…告白だって出来るかも。

本当は先生の声も手も独占したいのに…。



私だけ見て欲しいのに…。



欲しい…欲しいよ…






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